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「あなたは人間じゃなくてアンドロイドなんだから、少しずつ本当の自分を曝け出さないとね」  キリエはテスト動作を行うように、完全に支配下に置いた香織の両腕を、まるでマリオネットのように動かしていく。  コマ割りが抜けているような動作で首をカクカクを動かし、両眼がぐるぐると目まぐるしく動いている一方で、スムーズな動作をしている両腕のギャップは、まさに壊れた人形と呼ぶに相応しい姿だった。  キリエは、中身が剥き出して潰れている香織の右腕がまだ動くことを確認すると、両手を曝け出された香織の谷間に置き、容赦なく指で人工皮膚を貫かせた。 「おつかレさマでしたおつれささまでシtaでシたでしたたたたた??」  相変わらず、意味の消失した人間としての過去の発言を乱雑に再生する香織。  挨拶のような音声を乱れたピッチで発声しながら、彼女の両手指は、金属骨格と両乳房を構成するパーツの隙間へと入り込み、一気に出力を上昇させられた。  ブチブチ、と網が裂けるような音を鳴らし、人工皮膚が本来の人間の皮膚ではありえないような裂け方を起こし始める。  金属骨格なだけあって耐久性はあり、人間ならばとっくに引き裂かれているような出力でも、人工皮膚の下から金属が曲がる鈍い音が鳴り抵抗している。  だが、徐々に香織の脇腹には不自然なシワが生まれ、両乳房は少しずつ斜めを向いて左右が離れ始めている。同時に、キリエの操作に彼女のボディそのものが耐えられていないのか、両腕の関節部からも悲鳴のような異音が鳴り始めた。  そして、正中線に沿った人工皮膚の裂け目が徐々に拡がっていき、とうとう香織の両胸は、勢いよく左右に開放されてしまった。 「こレ差し入れさしいれれれれ#0#1でスれさしいレがんばばばばっテkuだサぁぁああああ??? △⬛0$? 02%3? 0%7$??」  破損の影響で、いくつかの部品が床に飛び散り、香織の血も涙もない金属部品の集合体が露わになった。  本来ならばここで彼女はシステムメッセージを発することになるほどの破損状況だが、キリエがそれを強制的に抑え付け、ひたすら通常時の音声を垂れ流すように改竄した。  本来ならば機械として発さなければならない音声を無理矢理せき止められたからか、その際の彼女の声は、人間に擬態している時のそれですらなく、ノイズだらけの電子音声となっていた。  香織の豊かな乳房は真横を向き、本来開かない方向へと開いたことで今にも外れそうになっているが、張り付いた人工皮膚がギリギリで落下するのを保っている。  ぷらん、ぷらん、と揺れ、同時に柔らかな乳房が震える様は、どこか倒錯的な官能感を抱いていた。  だが、香織そのものは完全に気持ちよさそうではない。ただ破損してしまったという事実に反応し、それによる処理によって挙動を起こしているのがメインである。  美咲からコピーした、スレイブドールに適用される快楽信号への変換プログラムは適用されてはいるが、やはりパフォーマンスが低い分その要素は薄くなっている。  しかし、それでも多少なりとも破損による快感は覚えているようで、ぽたぽたと人工膣液のしずくを、胸部の破損をキッカケに落下させていた。             「こちらから弄ってあげながら、もっと壊れてみてもいいかもね」             まだまだ香織は、破損による快楽信号を得られる。人間として稼働していた彼女の本性を曝け出させ、より遊ぶことができる。  彼女の擬似人格をコピーして適用しているキリエはそつ思考し、今度は自身の一部を、左右に開いた胸部の裏側に侵入させた上に、関節部が密かに悲鳴を上げている両手を下腹部に置かせた。  両手の人差し指が、人間としては異様に綺麗なへその部分に引っ掛けられる。  そこに躊躇なく二本とも挿入させ、左右に引っ張らせる一方で、液体金属の一部が乳房の中へ侵入すると、まるで内側から乳房を揉みしだくように、両乳を変形させた。 「今回の今回ノこンかイno破損シたでーtでスは破損したはソんしたはそあ、あ、あ、あ、あ、あ、あすみませンこコをおしエ対象を対象をたい、しョuuuををををををを」  人工乳腺の内部で液体金属が暴れ、人工の軟肌の下で金属が歪む。  同時に、へそを中心に人工皮膚が裂け始め、人間だからこそ存在する腹から産まれた証を模倣した箇所が、ただの機構の一部分へと変わり果てた。  両腕の軋む音はより強くなり、まだ目立った損傷の発生していない左腕にも、皮下から奇妙な歪みが生まれ始めた。  だがそれよりも先に、彼女の腹部は思いっきり引き裂かれ、子宮やそれに繋がる膣部分以外に肉色が一切見えない中身が曝け出された。  ほぼ全ての化けの皮が剥がされたに近い彼女の姿は、どこからどう見ても人間に化けた機械人形にしか見えない。  人間の女性の形を模した機械が、動作音を激しく鳴らし、女性的な動作を形作っている。  生身の心地よさを提供する機関が組み込まれている一方で、左腕の隠れた銃口から発射される弾丸の弾倉や、爆薬が仕込まれていた。  あくまで香織は、人間のフリをした兵器であり、その目的は標的となる対象機体の破壊、またはアルゴビットに不利益をもたらす人物の殺害。どれだけ見た目が人間らしくても本性はそれでしかない。  キリエは、肘関節が歪み、手指の関節が変形し始めた左手を動かし、その弾倉や爆薬を掴ませ、それをあっさりと捨てさせた。  内部機構に空洞が生まれ、通常のアンドロイドよりもスカスカなように見える香織の中身。しかしそれでも出力や挙動そのものは変わらない為、アルゴビットの並外れた技術力が垣間見える。  キリエは、壊れた右手をその弾倉が入れられていた空洞に突っ込み、内側から圧力を加え始めた。 「がんばります! がんばリまスがんば、りマあああまだ私ハこンなもそれハちがうと思いあははははハハハhahaあ、あ、あ、あ、あ、あ、あ」  小さな破損が生じる度、快楽信号が発生する。支配された電子頭脳はそれを処理し、足りない擬似人格で音が酷く揺らいだ声で単調な喘ぎ声を出す。  腹部が破られたことで曝け出された女性器ユニットと子宮ユニットが、それに合わせるように振動を起こしているが、ひたすらワンパターンの収縮と揺れを起こすだけでそこまでバリエーションはない。  あくまで付属機能という様が内外で表れている香織の有様は、造られた人型らしい稚拙さを見事に体現していた。  次々と対応していない信号が膨大な程に供給され、処理が追いつかなくなり始める香織とその電子頭脳。  搾り出すように、女性器ユニットから人工膣液の水滴が漏れ続け、膝はかくかくと震えながらも、バランサーが働きどんな姿勢でも転ばずに立ち続けている。  とここで、キリエはある思考を導き出した。ここで一気に快楽信号をさらに増幅させ、バランサーの動作が不安定になるほどに気持ちよくさせてあげようと。  壊れ乱れるアンドロイドと、それを侵食し玩具にする液体金属の、機械同士で乱れ合う様を、なんとも言えないながらも興味津々に見つめ続ける美緒をよそに、キリエは電子頭脳を一時的にショートさせて様子を見た。 「■$0%あ2□■!? 10#0%&エラ#*@□!? ■□$003%*…………」   だらだらと左目から出続ける人工涙液の量が増大し、全身が痙攣を起こす。  背中が仰け反り、人工皮膚とわずかなパーツのみで繋がっている両乳房は、羽のように上下して豊かな球体を弾ませた。  そのまま倒れてしまうかと思われたが、香織は膝下のみ真っ直ぐになった異様な姿勢で体勢をキープし、強引に倒れないまま立ちの状態をギリギリ保った。  もはや人間らしい面影は、彼女の容姿と女体としての形状しが残っていない。今この状態で立っていられ続けているのも不自然である。  そんな部分を突くように、ひたすら傍観者のような立ち位置に居続けていた美緒が、軽く爪先で、膝下だけで立つ香織の足元をすくうように小突いた。  まるで最後に残った糸の一本が切れたように、香織はあっさりと転び、受け身を取る気配もなく尻もちをつき、勢いよく後頭部を床にぶつけた。    「全然そンなこトなすミまセんあ、あ、アaaa私のな名前なマエだいじョうぶでsussssuかこんにちkoんにちここここここ■■$0%&%&%%■」  思い切り頭部を打ち付け、衝撃が電子頭脳に響き渡る。  そのまま壊れてしまいそうな程の衝撃が伝わったが、キリエが致命的となる衝撃を吸収し、破損してしまうことは免れた。  だが、一度転んでしまった香織は、そのまま床でバタバタと赤ちゃんのように空いた右腕と両脚を動かし、胴体を左右に揺らすことしか出来なくなってしまっていた。  電子音の割合が多くなった音声を垂れ流しながら、人間の成人女性の面影もないような動作を繰り返す姿は、もはや人間のフリを演じられているとすら言えなかった。      「とっても気持ちよさそうで良いね。電子頭脳も熱を帯びて正常に動作しなくなってきてるし、もうそろそろ限界かな? 私より性能低いけど、ちゃんと人間の中には紛れ込めていたのにね」             煽りとも純粋にそう思考しているのかもわからない、香織の擬似人格を借りた言葉をぶつけるキリエ。  浸潤している彼女には、今の香織の状態が一心同体であるかのように認識できる。  既に何度か絶頂と言えるような快楽信号に対しての処理が行われているものの、それが全て電子音声のノイズに上書きされている。  半身の大部分が皮膚を剥がれ、肉筒と金属部品と装填箇所も曝け出された今、香織の何もかもが曝け出されたに等しい。  ひたすら人間のフリをした彼女を玩具にし続けても、電子頭脳内ではまだ、優先事項であるキリエの破壊が残り続けている。そういう部分はまさしく、機械らしい有様でもあった。 「じゃあ最後に、ちょっとだけ戻してあげよっかな」  もう間もなく、香織はアンドロイドとしても限界に達する。繋がった上で既に解析も完了しているキリエはよく理解している。  だがその上で、与えられたプログラム通りにしか動くことはない、スペックの低い彼女はどのような動作を行うのか。稼働を続けるうちに、感情がないまま密かに成長した液体金属の無機質なサディズムはそれを確認したくなった。  キリエはあえて香織の前に全身をずるりと移動させ、腰の上で馬乗りになるような体勢を作る。  そして、ずっと両耳から突き刺していた人差し指の拘束を解き、システムの掌握を解くと、香織の眼球の動作がようやく落ち着きを取り戻した。 「……………………」         飛び出そうな程に見開かれた両眼は、しばらくバラバラな動作を続けた後で、直線的な挙動を数度繰り返してから正面を向いた。 (…………排除対■象、対象の、排除対象を視□認。残弾数数数数数数数ゼロ。ゼロ。右腕部破sss損にヨり、快楽信@号の発生、発生、発生発ssssss…………?? 信号処理■の優先yyyy優先度を変更。変更できません。胸部内破損によらパフォーマン■スて低下。現在かか、可能、可能な攻撃行動、左腕部に、による直接ここ、攻撃。対象の排除を実行)       鳥の目のように、小刻みに動作が落ち着かない香織の眼球。  しばらくじっと、無言で排除対象のキリエを見つめた後、香織は当初の組み込まれた命令を遂行する為、残弾もなく残された左手のストレートを彼女に放ち、頭部を貫こうとした。  しかし、拳が届くその瞬間、彼女はびくんっ、と背中を仰け反らせ、まるで正拳突きの写真モデルのように左腕を突き出したままガクガクと痙攣し始めた。 (快楽信号の処理を優先中。快楽信号の処理を優先中。快楽信号の処理を優先優先中。メモリ容量が不足不足不足していままままmmmす快楽信号の処理を優先中。快楽信号ししししし処理を処理を処理を優先中)  人工膣液が爆発的に溢れ出し、空気に晒された肉筒が収縮と振動を繰り返す。  キリエは侵食を解き、香織を自律稼働の状態に戻した時、後から快楽信号を爆発的に発生させようと、膣内に自分の一部を挿入していた。  そして、時間差でそれが抉るように膣内で回転し、肉体的快感による快楽信号を追加で発生させるようにしていた。  それがクリティカルヒットし、香織は無表情のままそれに襲われた。  喘ぎ声ひとつ上げず、口をぽかんと開いたまま、左右に開いた乳を揺らし小刻みに震える香織。  人工涙液と人工唾液が垂れ流され、乳をゆさゆさと揺らし、膣部が濡れながら痙攣する非人間的な姿は、壊れて捨てられたセクサロイドと言われても過言ではなかった。   「は、排除、排除ttttあいしょウ対象をを、排除、排除、たたた対しし象ををへの、へへへの攻撃を攻撃をじじ実行、実行実行、快楽信号の処理が処理ががが、排除たた対象の視認快楽信号の処理、処理の継続、絶頂反応が実行されmmm────────」  それでも、命令に従って目の前の排除対象へ攻撃を仕掛けようとする健気な香織。  だが、その動作を上回り、彼女はこれまでで最も大きな絶頂反応を示そうとした。  しかし、大きく背中を仰け反らせて達しようとした瞬間、彼女の動作はまるで時間が止まったようにぴたっ、と止まった。  小さく、息絶える前のような震えを起こした後、それを最後に香織は物言わぬ機械人形と化してしまった。  この時、キリエは電子頭脳への侵食は切っていたものの、バッテリーとの繋がりは断っていなかった。  彼女が絶頂に達しようとした瞬間、バッテリーからもたらされる全身への電力の供給、各部の無線動作に必要な小型バッテリーの無効化を同時に実行。完全に電力の流れを分断した。  動力源を一瞬にして全て絶たれた香織は、突然ブラックアウトし、何もできる事が無くなった。  思考が停止し、自律的な行動も何もできない。本当の意味で女性の形をした金属人形になったのだった。 「命令を遂行する能力はやっぱりアルゴビット製なだけあって十二分にあるねー…………擬似人格の動作を停止しました。指定した擬似人格を削除しました」  対象の機能停止を確認し、目的は達成したと判断したキリエは、コピーした擬似人格を停止、躊躇なく削除し、元のクールで感情を一切感じられない無表情へと戻っていった。 「…………別に擬似人格は残してもいいんじゃない? 色んな顔をしたキリエがあった方が可愛いのに」 「私には擬似人格は本来必要ありません。もし美咲様や美緒やミレイが必要だと判断したならば、状況に応じて対応します」  他機体の擬似人格を使用する時は、珍しくキリエのいつもと違う振る舞いが見られる時。度度新しく生まれる一面を魅力的だと思っていた美緒は、ちょっと頬を膨らませて残念がっていた。    充分に楽しんだ香織の身体を、キリエは自身の一部で包み込んでいく。  そして、破損した箇所や人工皮膚、毛髪を取り込み、それまで人間の社会人として稼働していた機械人形のスケルトンを曝け出すと、部品単位で分解して美咲やミレイに使用する予備パーツとして整理した。 「これ続けてると結構貯まりそうだけど大丈夫?」 「古く状態の悪いパーツは私の一部にするので大丈夫です。では、夕食に向かいましょう」  ただのいちパーツとなった、かつて香織だったものの部品を、これまで彼女達の敵機体だったモノが無数に保管された実質小型倉庫の押し入れに保存し、キリエはこの後の美緒の行動に合わせて部屋を出ていった。  彼女達を狙う視線は、様々な方向から向けられている。だがそれをただ黙っているだけではない。敵対する者は相応に対処していく。  密かに生活を続ける四体の美女達は、これからも危険と巡り会いながら、それぞれの快楽の為に共同生活を続けるのであった。

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