異形と機械お姉さん達の性的な日常 3話 2/? 棄てられていた元人間の大量コピー品 (Pixiv Fanbox)
Published:
2025-03-31 11:44:52
Imported:
2026-06
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その機体の名前は水樹碧。そう登録されていた。
彼女は元々、水樹葵という、いつの間にか全身機械化させられ、実験機体として使用されている女性のコピーとして造られた機体である。
碧は、オリジナルである葵と違い、己が機械であることを自覚し、外部とのやり取りも行いつつ、実験部屋にて様々な行為や実験を、碧と共に実行している。
その際に組み込まれる設定や機構は様々で、基本的には破損すればする程発生するエラーや誤作動を快楽信号に変換し、壊れたりエラーが生じるほどに性的快感を得て気持ちよくなっていく。そうして完全に壊れて機能停止するまで動き続けるというのを基盤に、様々な実験が行われる。
設定上の矛盾を組み込みエラーを起こしやすくしたり、液体金属の実験台にしたり、お互いを壊し合わせたり、バラバラな状態で起動させたり、過度に充電を行い電子頭脳がショートした状態でお互いを触れ合わせたり。
アルゴビット側の実験や、彼女達の存在を知る者がこのようなシチュエーションで淫らに壊れていく様をみたいという支持者からの要望によって破損を発生させられ続け、こうして大量の碧の残骸が生まれていったのだった。
今でもその実験は続けられており、量産された碧と、修理され続けては使われ続けている葵が、新たな設定を施されて快楽に溺れながら壊れ続けている。
外と繋がりつつ主導権を握っている碧の方が上ではあるが、彼女もまた製造されコピーされては修理不能だと判断される度に廃棄され、いくらでも替えが利く、まさしく道具らしい存在。一方的に使われているわけでもなく、プログラム通りに改竄された人格通りの挙動とはいえアルゴビット側に協力している分、より使い捨ての道具という印象が強まっていた。
廃棄された碧のうち一体のデータを読み込んだことで、キリエはまた別の機体へと視線を向ける。
地面に転がっている機体はどれも同じ髪、同じ顔、同じ体型をしており、一切の見分けがつかない。キリエは適当な残骸数体に侵食し、データを読み込んでいくと、ようやく一体だけ、葵の存在を確認できた。
「水樹葵の存在も確認できましたね。しかし、残骸の比率としては碧の方が多いようですね」
その葵は、後頭部カバーが開放されたまま機能停止しており、電子頭脳も半壊している。かろうじてデータが読み込めるが、それでもまず自律稼働は不可能であろう有様で、ところどころにショートしていたと思わしき焦げ跡が見られた。
身体の方は、表情は呆然としており、左眼球が白目を向いている。両乳房ともに千切れかけており、乳首の先端には何か液体が放出され乾いた跡が残っていた。
女性器ユニットは、外性器部分と表面の膣肉部分が融解したのか、ピンク色の樹脂が大きなバリとなって固まっている。
両脚は折り曲げられ、関節部分はあらぬ方向に曲がり、この葵が行った行為がどれだけ激しく、どれだけ無茶なことをしていたのかが伺えた。
かろうじて読み込める範囲の記憶データを読み込むと、この葵は、碧と重なった状態で各部位に圧力がかけられ、くっついている碧と一緒に圧するように破壊されたらしい。
他の碧はどのような記憶データを持っているのか気になったキリエは、その葵の残骸を包んで自身の身体の一部にし、己の容量を増加させた。
それから、機体によってそれぞれ状態の違う碧複数体に自分の一部を接続し、同時に記憶データ各種を読み込んでいった。
『あああ熱い、熱い、あ熱いを認識してしていまイマいますをいるか、らかかか快楽信号が快楽信号が快楽信号が、かしこまりますましたました、まままだまだ快楽です、あおいの葵は、葵葵あオいだから、ましたましたしまます? ね?』
ある碧の残骸は、電子頭脳や胸部、女性器ユニットや関節部を中心にオーバーヒートするように設定され、人工皮膚が溶けてしまう程の発熱を起こして機能停止していた。
電子頭脳には煤けた跡が残り、乳房や女性器ユニット、四肢の関節部の人工皮膚が溶けて冷え固まっている。
よほど気持ちよかったのか、その碧の口元は口角が上がっており、右眼だけ白目を剥いていた。
『あは、あ、ああ、あハハハハハ葵葵は葵は、どどどどうしますしました気持ちよさそうねよさそうデすねですね、ねねねねnnnnねエラー、参照先よふふふファイルがファイルが正常に読み込めませマママ、というこトなの、なな、なの、なのなの? おはヨウごござざザイマす、ざいま? す私は私は、こチらにせっトしてクダさいおメでとうごごご、ざイマす! 当選しましタタタタタタ!』
ある碧の残骸は、仰向けに倒れて女性器ユニットを濡らして倒れている葵の前に立ち、少しだけ脚を拡げているやや指摘箇所が生まれるような立ち姿で、明らかに自分が負ったことのないであろう役目なセリフや、受付嬢かのようなセリフをランダムに垂れ流していた。
この碧は、意図的にウィルスに感染させられており、かつて他のアンドロイドにインストールされていたそれを、元人間またはそのコピーにインストールしたらどのような挙動になるのか、という目的で使用された。
結果、本来のターゲットである大企業で使用されている機体や、店員などの役職を負った機体のセリフが、あらかじめウィルス側に組み込まれており、それを意味もなく喋ることになった。
廃棄された後のこの碧は、どことなく表情の形が営業スマイルのように見え、快楽信号による多幸感とはまた雰囲気の違う微笑みを浮かべていた。
『ああ……葵とこうやってくっつき合うのも、悪くないわ。ねえ、このままずっと気持ちよくな■@0$1……っテ、いいいます、いますが、きもちい、いです。葵ト、キスが実行をしま、します、していマすが、破損による、が動作してイマすしていますね? なのよ。いいわ、葵いいいいいいいい……』
またある碧の残骸は、お互いに両乳が潰れ合う程密着するように抱きしめくっつき合いながら台の上に座り、両足を固定された状態で何度も振り子のように往復するハンマーによって殴られていた。
映像データ内の振る舞いや画像からは、彼女達はその存在を認識できないようになっているようで、同じ姿をした機体がずっと性的に絡み合い愛情を共有しながらも、自分の認知できない箇所から強い衝撃を加えられ続けている。
そうして徐々に壊れていく様子を記録する。そのような雰囲気が感じ取れた。
この実験が行われた碧は、後頭部が酷く陥没しており、ぶつかりあった結果か、額の人工皮膚にも小さく穴が空いている。
比較的、首から下が形を保っており無事なところも、電子頭脳を含めた頭部が集中的にダメージを与えられていたことを示唆していた。
多種多様な形式、方法、趣向で幾度となく破壊されては、修理不能と判断されれば廃棄されていく無数のアオイ達。
頭部が破壊され、四肢が破壊され、高熱で人工皮膚が融解し、身体が断裂し、内部データが改竄され。
数々の壊れた女性型が棄てられているこの廃棄場の中でも、同じ姿が積もっている箇所は特に、異質な雰囲気を醸し出していた。
キリエは様々な碧の記憶データを読み込み、同時に可能な限り、電子頭脳の各種データも保存していく。
そうしているうちに、彼女の中にある演算結果が導き出される。
「…………新たに私達の自宅へ迎え入れましょうか」
それは、四体で生活している自宅の住人を増やすというものだった。
現在、キリエを含めた四体の女性が暮らしている家には、三体が機械で一体が生物。どれも非人間か元人間であり、残った美緒も、擬態した寄生生物である。
その中で現在、まともに自律して稼働できるのは、寄生生物である美緒と、本来秘匿されている液体金属タイプのアンドロイドであるキリエのみ。美咲は、今地面に転がっているアオイ達や、廃棄場にいる一部の機体と同様に元人間だが、スペックが低く人間としては明らかに違和感が生じる機体なのもあって人間社会で稼働するには難しいのが現状。
残ったミレイはそもそも市販品と全く変わらぬ機体であり、道具という扱いが似合う、廃棄場の各機体よりもスペックの低い機体である為、美咲と同様に保護される側となっている。
そこで、自らを機械だと自覚している機体がもう一体いれば、より快適かつ過ごしやすい環境がある程度保証されるのではないかと思考した。
破損したとしても、ここには大量の廃棄品があり、予備パーツも揃えられる。それでいて、記憶データを読み込む限りでは自律稼働も問題ない。
ならば、迎え入れることの方が最善なのではないか。それが、彼女の導き出した結論だった。
ミレイは早速、電子頭脳がどれだけ無事に近いか、電子頭脳内のデータが可能な限り破損していないか、ボディの破損や欠損がどれほどか、という判断基準を元に、最も壊れていない碧のことを探し始めた。
自身の身体を大きく拡げて、触手のように一体一体にくっついては侵食し、設けた基準から診断を行う。
そして、ミレイは一体の碧に目をつけた。
「この碧が良さそうですね」
見た目には、四肢の関節が人工皮膚ごと裂けて潰れており、女性器ユニットも摩耗してピンク色の削れカスが生まれており、膣肉内のヒダとは明らかに違うデコボコが発生している。
豊かで柔らかそうな両乳房は、比較的無事ではあるが、強い力で揉みしだかれた跡があり、微妙に本来の形よりも変形しつつ、おそらくは廃棄された後についたであろう汚れが付着している。
眼球は左側が破損しヒビが入っており、右側は白目を剥きそうな程に瞳が下の方を向いている。
口元はぽかんと力なく開いており、口端からは大量の人工唾液が流れたと思われるような水跡があった。
見た目の破損状況はそこまで良くないが、胴体にそこまで破損がなく、壊れている部品も、他の残骸からパーツを拝借して交換可能なものばかり。
電子頭脳も、他の機体に比べるとそこまでデータが壊れておらず、棄てられたものの中ではかなり正常に近い状態だった。
これならば少々の部品交換と点検だけで運用が可能となる。内部データのファイルチェックも、大量の碧を読み込んだことでサンプルが彼女の中で築き上げられ、メンテナンスの役目を負えるようになった。
キリエは、他の残骸から必要な部品を拝借し、自分の身体の中に溜め込む。そして、一度美女としての姿を全て溶かして液体金属に戻り、回収予定の碧の身体に浸潤し、破損箇所をカモフラージュした。
銀色の液体が壊れた身体を包み、少しずつ水樹碧の形と一体になっていく。
そして、銀色が表面から消失すると、碧の姿を借りたキリエが目を覚まし、ゆっくりと起き上がった。
「私が破損箇所を補填している間は、動作には問題なさそうですねは」
首を曲げ、肩や太腿や手首を回し、手脚を曲げてから柔軟運動を行う。
碧の口から出てくるのはキリエの声。他のアンドロイドと同様に発声がスピーカー式である為、電子頭脳が動いてなければ彼女の声が出ることはない。
自由に動けることを確認すると、碧の姿をしたキリエは、自分の一部を切り離して作った、大量の部品入りの袋を持って、まるで創作上の特殊能力者のような人間を超えた身体能力で、髪と巨乳を揺らしながら廃棄場内を駆け抜け、壁を飛び越えて去っていった。
大量の女性の形をした機械人形が棄てられたその場所から去っていく、量産品のうちの一体。
無数にコピーされた廃棄品のアオイ達は、虚ろな瞳でその姿を写し、再び無機質に雨風に晒される日々を送るのであった。
* * *
時刻は未だ、早朝には近づいているものの深夜の時間帯。
碧の身体で帰宅したキリエは、無音で自宅のドアを開け、可能な限り音がしないように帰ってきた。
玄関の明かりも点けず、音を立てないようにして家に上がり、ゆっくりと自分の部屋を目指していくキリエ。
彼女はいつもこのようにしてパーツや自身の体積を確保しては、同居人達に悟られないように行動している。
キリエはまだ、自発的に人格が芽生えたわけではない為、感情的な判断ではないが、そもそもこのようなことが可能なのは彼女一体だけである。
それ故に、余計なやり取りや不安が起きないようにと、思考した結果だった。
非常に綺麗に整理整頓されており人間的な隙が一切見られない淡白な自室に戻り、明かりを点けると、キリエは視覚的にスペースを確保し、仰向けになる。
そして、擬態を解除して液体金属の姿に戻ると、廃棄場の時から全く変わらない姿の碧が姿を表した。
それから、回収袋の中から、自分と美咲、ミレイの為に手に入れた部品を取り出し、自室内の押し入れに収納する。
これから彼女は、碧の修理に入る。構造は彼女達の電子頭脳内のデータから構造図を取得しつつ、浸潤した際に頭の中から足先の隅々まで侵したことで完璧に把握している。
「これより、水樹碧の換装、修復作業を開始します」
こうして、新しい住人を迎え入れる為の少々大掛かりな作業が始まった。
尚、この時点ではまだ、何も知らない三体に対してどのようにして新しい住人を受け入れてもらうかの交渉をまだ思考していない。
移動中、ミレイは碧の全内部データの解析にリソースを使っており、そちらの方へ思考が回っていなかったのであった。