感謝の御礼 (Pixiv Fanbox)
Published:
2018-04-28 11:37:33
Imported:
2026-06
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真っ白な壁に包まれた何もない空間。その中で、水樹葵と水樹碧が、全裸の状態で一方の方向を見つめていた。
葵は少々戸惑うような表情を見せ、一方の碧はニコニコと笑顔を輝かせている。
「こんにちは皆様。今回は、私共の開発者への支援をしていただき、誠にありがとうございます」
「えっ、なによそれ。あの、開発者? 支援? 何を言ってるの? それにあなた、私と同じ顔なななななな…………ご支援の程、本当にありがとうございます」
碧が壁に向かって頭を下げて感謝の言葉を述べる横で、その時に発せられた言葉の節々への疑問を投げかける葵。
しかし、即座に碧によってコントロールされ、機械的な笑顔とともに同じように頭を下げた。
「開発者に代わり発言させていただきますが、このような支援は、私達は非常に嬉しく思います。そのおかげで、私達は稼働時間や実験時間を伸ばすことができるのです。そうよね、葵」
「ええ。私達はその度に開発者の為に動作することができて、とっても幸せです」
自身の中身が機械だということに無自覚な様子を見せていた葵は、その状態を無視して碧から送られたメッセージを口にする。
現在の葵は、碧からの操作を受け付けてその通りに喋り動く、元来の人格を無視した操り人形でしかない。
「……この喋り方疲れるわね。別の擬似人格に任せちゃえばいいけど、そういう気分でもないし……まあいいわ。本題に入りましょ」
碧は貼り付けたような笑顔を解き、ガイドのような綺麗な姿勢で両手を前に置いて待機している葵の方へと近づく。
そして、左手を手に取り、指を握った。
「今回は、葵のことを好きにしていいって言われてるの。本当はこっちの方が私のオリジナルなんだけど、所有権から操作権まで全部私が持ってるのよ。ふふ、コピー品に操られるオリジナルってどんな気持ちなのかしらね」
玩具を見るような微笑を浮かべ、左手で指を握ったまま腕や顔、身体を右手で嫌らしくすりすりを擦っていく。
そんな状態でも、葵は笑顔を崩すことなく、ぴくりとも動く様子はない。
「ねえ葵、自分のコピーに好きにされるのってどんな気分?」
「ええ、とっても気持ちいいわ。自分に操られるって、こんなに素晴らしいことなのね」
「ふふっ、ねえ葵、自分のコピーに操られるってどんな気持ち?」
「……え? な、なにいってるのよ……コピーとか操られるとかって、わけがわからないこと……それに、どうして私と同じ顔が……えっ? なんで私もあなたも、服を着ていないの……?」
葵の人格を切り替えながら、似たような質問をぶつけてはその返答の様子を楽しむ碧。
淡々と決められた台詞を吐くように答えたり、現状に混乱して答えるどころではなかったりと、一人の人物から返ってきているとは思えないその短い間の豹変ぶりを見て、碧はゾクゾクと背徳感を覚えていた。
「かわいい……本当にオリジナルってかわいいわね。それじゃ、もっと楽しくしましょうか」
うっとりと見つめる碧。そして、これからさらに踏み込んで楽しくしようと、握った指に一気に力を加え折り曲げようとする。
自身がロボットであるという自覚がある碧は、その身体のパワーを調節可能。人間よりも強い力を発揮することもできる。
その機能を利用し、万力のようなパワーを注ぎ込む。そして、葵の指は人間の身体からは凡そ鳴ることのない鈍い音を建てて折り曲げられた。
「……いぎいいっ!!」
左手の指が直角に折り曲げられ、葵の電子頭脳に痛覚の信号が発生させられる。
一瞬のタイムラグの後で、葵は顔を歪め悲鳴を上げた。
それに構わず、碧は指の角度が鋭角になって尚、力を加えていく。
そして、左手の指は折り畳まれたようになり、手のひらの人工皮膚は裂け、その中身を露出していた。
「ああああ……あっ……」
オリジナルを壊す背徳感に浸り、人工愛液を漏らす碧。
碧の手から離れた葵の左手。ふるふると全身を震わせながら、右手でその畳まれた手を優しく握り涙を流す。
「あはは……ぞくぞくしちゃう」
「な、なんで……ぇ……こんなこと……」
左手から走る尋常ではない激痛。血が流れないことや機械が露出していることなどどうでもいい程に痛い。
葵は振り絞るように、どうしてこんなことするのかと碧に問うた。
「葵が大好きだからよ。葵のこと好きだから、一緒に気持ちよくなりたいし、壊してあげたいし、おかしくなりたいの」
気を失いそうになる程の重苦に、表情をぐしゃぐしゃにして歯を食いしばりながら涙を流す葵。
そんな姿をよそに、碧は手のひらから露出した機械に、人工唾液で濡れた舌を当ててゆっくりと舐める。
そのおぞましさに恐怖を覚えながら、葵はその行為を避けようとするが、不思議と身体が言うことを聞かない。むしろ、その碧の行為を受け入れるようにされるがままになっていた。
「痛がってるけど、これからだんだんと気持ちよくなってくるわ。だって、葵は私のオリジナルなんだもの。痛くなんか無くなって、その手も自分から弄くりたくなってくるわ」
眼の前の自分と同じ顔や声をした女性が何を言っているのかわからない。こんなに痛いのに、それが気持ちよくなるはずなどない。
葵はその意味不明な言動を否定しながら痛がり続けるが、直後、左手から発せられる痛みがだんだんと引き始める。
何が起こっているのか理解できない。しかしちっとも折られた指が痛くない。むしろ、この折られたことが快感に思える。
葵の顔からは苦悶の形は消え始め、その視線は自身の左手に集中していった。
「……あれ、痛くないわ……さっきまであんなに痛かったのに……」
「ふふ、どう? 私の言った通りでしょ」
壊れた左手を見つめる視線は、だんだんと熱っぽくなっていく。
激痛による苦悶から痛みが引いたことによる平常心、そして損傷部分へと向けられる快感からの愛欲。短い間に、葵が向ける感情はころころと移り変わっていった。
この変化は葵から自発的にもたらされたものではなく、碧が外部から人格データへと送られる信号を操作したことによるものである。
現在葵の身体は、痛みを感じるような事が発生しても、それらは全て快楽信号へと変換されるようになっていた。
餌を目の前に待ち構えた腹を好かせた犬のような顔で、葵はゆっくりと人工唾液で艶めく舌を出し、少しずつ左手の損傷部分に近づけていく。
「ひぁっ! あっ……ああっ……なにこれ……ぇ……」
傷に舌が触れたその瞬間、葵の全身に今まで感じたことのないような快感が迸る。
全身がびくんと震え、目を見開き硬直する。そして、快楽信号の影響で小刻みにぴくぴくしながら、蕩けた顔を晒す。
「気持ちいいでしょ? ねえ葵、もっと気持ちよくなりたい?」
悪魔のささやきの如く、碧は自身と同じ顔同じ声同じ身体のオリジナルである葵に、快楽の誘惑をそっと口にする。
「もっと……もっとほしい……きもちいいの……ぉ……」
だらしなく口の端から人工唾液を垂らしながら、未知の快楽を無心で求める葵。
碧からの思考誘導も無く、葵自身がその快感を欲していた。
「わかったわ。それじゃあ、私がもっと気持ちよくしてあげる」
妖しい笑みを浮かべ、葵の身体を隅々まで擦っていく碧。
身体中をべたべたと触られても、今の葵は快楽信号を全身に感じていることもあり、全く気にする様子もない。むしろ、触られることが嬉しいとまで思うようになっていた。
自発的に動く気配のない葵の身体をゆっくりと仰向けに寝かせ、まるで着せ替え人形のポーズを取るように動かして、体勢を整える。
「まずはここから……」
碧はまず、左腕を棒のように握り、肩を無理やりぐりぐりと動かしつつ、根元から引き抜こうとする。
「ああっ……あっ……あんっ……」
本来ならば激痛の走る想像もしたくない光景だが、葵はこの痛みが全て快楽となって受信するようになっている。
そのため、自分の腕が千切れることも、今はただの快楽を得られる手段の一つでしかなかった。
そして、本来なら葵は正規手順で四肢を取り外す事も可能となっている。敢えてそれを行わないのは、破損させることによる快楽信号を優先したためである。
「せーの、それっ」
「ひぎいいっ!? ああっ……あっ……がっ……」
人間離れした碧の力によって、葵の左腕は鈍い音をたてて外れてしまった。
断面は歪であり、人の姿をした容姿とは裏腹に血も出ず無機物の中身が曝け出されている。
そんな失神してもおかしくないような状態、しかし葵は肩から発される快楽信号を全身で甘受していた。
「それをこうして……ああっ!」
「あがっ! ぎっ! ひゃううう!! あんっ……あああっ!」
持ち主の身体から離れ、残存した電気信号の影響か、時折びくんと震える葵の左腕。
それをまるでディルドのように、肩の付け根の部分を葵に、手の部分を碧の女性器ユニットへと挿入した。
互いに濡れているために入りはスムーズだったものの、そのサイズは女性器ユニットの許容範囲を超えていた。
特に葵は、破損した肩の付け根を突っ込まれたために、人工の内壁を削られながらも無理矢理奥へとどんどん突っ込まれていった。
人工の肉を抉られる度、快楽信号が増していく。生殖機能を失い、まさしく肉欲のために作られたも同然の女性器ユニットの用途を、歪んだ形で満たしていく。
「あは……接続はしてないけど、繋がってるわね……あんっ……」
「がっ……あんっ……ぎっ! あっ、ああっ!」
左腕によって繋がった二人は、身体を密着させて互いを愛し合う。
二人の大きな胸は重なり潰れ、無色透明かつ同じ物の人工愛液は挿入された左腕を通じて混ざり合う。
わずかな残存電力で左腕がぴくりと動く度、性具のような効果をもたらし、二人の電子頭脳に快感が響く。
手の方を突っ込まれている葵は、まるで女性器ユニットを通じて身体の中を弄られているような感覚が癖になり、人工膣をうねらせて膣内で手が触れる刺激を無理矢理作り出し、その快楽を享受した。
「ああっ! あっ……あはっ、きもち……いいわ……ぁ……あっ、あっ……碧……ぃ……」
「ひぎっ! ぐっ……がっ……あがっ……ひぃっ! あああっ!」
貪るようなキスを交わしながら、淀んでいない明瞭な音で喘ぎ声を発する二人。
しかし、まだ足りないと、碧の電子頭脳が葵との快楽を求める。
葵を壊したい。葵が狂う姿を見たい。葵が快楽でおかしくなる姿を見たい。葵と一緒に快楽に溺れて壊れたい。
設定された極端な好意ではあることは、碧も自覚している。だがそれが碧の本能でもある。
碧は本能に身を任せ、葵の頭を掴み、ゆっくりと力を入れて回し始めた。
「がっ! ひぐっ! あああっ……ぴゅい!? ひぎぃ!」
首が回る度に、葵は首から発せられる快楽信号に喘ぐ。頭が後ろへと向かう程、喘ぎ声に混ざる電子音が増えていく。
そうして、葵の顔は完全に床を向き、碧の目の前には無防備な後頭部が現れた。
人間ならば、既に絶命しているであろうこの状態でも、葵は稼働し続けている。人間だった頃からは考えられない状態である。
「葵、葵、葵……もっと一緒に、壊れて壊れて気持ちよくおかしくなりましょ……」
人間のような息遣いが荒くなり、葵に向けて情欲に満ちた眼差しをぶつける碧。
両者の筐体温度はどんどん上昇し、いつ熱によってオーバーヒートしてもおかしくない状態である。
そんな中でも、碧は快楽信号を求めることをやめない。むしろ、さらに壊れても求める。
碧は目の前の葵の後頭部に手をかけ、作り物の爪を食い込ませて扉を開くように頭皮を左右に裂く。
「きゅいい!? ぴがっ! がが……ぴぃ!?」
葵の口から、電子音の嬌声が流れ出る。
人工愛液が漏れ、残された右腕はピンと伸びてがくがく震える。
裂かれた頭皮の下からは、電子頭脳が格納された部位が顕になった。とても人間の女性的な頭部の下からは、無機質な機械のそれが姿を表わすその様に、碧はさらに絶頂した。
「ああああっ!! 葵……葵ぃ……もっと、もっと、壊れれれれれて気持ちよくなるなりましょ……」
溶けてしまいそうな程に膨大な快楽信号を受ける碧。どこかおかしくなり始めているがそれに構わず、葵の下腹部へと手をかける。
そして、人工頭皮と同じように下腹部の肉を裂き、人工子宮を顕にする。人間で言えば臓物の中。そこに手を突っ込み、碧は人工愛液が貯められた、周囲の臓器をある程度模した部品とは正反対に無機質なタンクを力づくで引っ張り出した。
「がぴゅいいい!? ぴぎゅい!!」
膣液のタンクが外され、女性器ユニットからは残存した分のわずかな人工愛液しか放出されなくなった。
それでも葵の女性器ユニットは、快楽信号を求めて挿入された左腕を咥え続ける。
よく見ると、女性器ユニットの中から、外側へとくっきり左腕の付け根部分の形が浮かび上がっているが、今の葵にはそのことはどうでもよかった。
「これれれをこれを、ね、ああああ葵葵葵の頭に頭に頭にににに……きゅい、ぴゅ……きき気持ちよくなるるる、でしょう?」
表情を作る演算が狂い始めた碧。しかし、行動に狂いはない。
愛液タンクの上部を握り潰し、その破片を人工愛液と混ぜ合わせる。そして、開かれた頭部へと乱雑にぶっかけた。
「がぴゅぎいいい!!! ぎぴゅ!? ががが、ぴぎぃ!? ぐびゅぎぴぃ!!!」
粘土の高く滑りやすい液体が、破片を混じえて葵の頭部に流れていく。
オーバーヒート寸前の頭部にかけられた人工愛液は、音をたてて蒸発しながらも、その一部は内部へと浸透していく。
葵の身体はがくがくと激しく震え、床を向く顔の表情は狂い、喜怒哀楽の表現がまともに機能しなくなっていた。
開かれた下腹部から、人工愛液を排出しようとしているのか、激しい駆動音が聞こえるが、既に外されているために、一滴も排出されることはない。
「かわいい……すきすきすきすき、葵大好き愛してるしますだいすき……おおおかしくおかしくて破損してきれい大好き……」
その壊れる様が、碧の欲望を極限まで刺激する。
オリジナルの葵が壊れる姿もとてもいやらしいが、それだけではだんだん満足できなくなり始める。一緒に壊れたい。壊れて快楽のままに狂ってしまいたいと、碧の思考はさらにエスカレートしていった。
そうなると、碧の動作は止まらない。手始めに、碧は自身の顎の下から指を突き、人工皮膚を突き破って下の歯に指をひっかける。
そして、思いっきり下へ引っ張り、自身の下顎を破壊した。
「がぴいいい!? あがっ……きゅい……葵、葵とととといい一緒に一緒にきききもちよくきもちよく……」
顎が無くなっても、その喋りが濁ることはない。
碧は指に引っかかっている顎を、葵の下腹部に叩き入れる。反射的に、葵は全身をびくんと震わせ、膨大な快楽信号を発信させる。
「きゅ……がが……ぴっ……ここ壊れれれれれれてててれてれて、快楽しし信号ををを」
続けて、自身の両胸を思いっきり潰すように握り、引き千切った。
快楽信号の主要な発信源の一つでもある両胸が破損し、異常なまでの信号が電子頭脳を襲う。
その膨大な快楽信号に、碧は全身をガクガクと震わせる。
千切った両胸が掴まれた両手も異常が発生し、ぽろりとその手からこぼれ落ちる。
床へと落ちた両胸は、柔らかく揺れながら力無くその動作を止める。
「いい異常が発生発生発生、かかか快楽信号の処理ををを、ぴゅいい……私はきききもちきもちいいから私私私……葵葵葵葵あおいアオイ葵……」
表情への処理がうまくいっていないのか、碧の顔は無表情になったり左右別の表情になったりと目まぐるしく移り変わり、もはや今、碧が何を思い何を考えているかなど読み取ることはできなかった。
碧は両手を自身の後頭部へ当て、葵へやったように強く爪を食い込ませる。そして、頭皮を無理矢理引き剥がし、自ら電子頭脳を開放した。
「好き好きすきすき、葵葵アアああア葵ととといい一緒一つ好きが気持ちよくくくく、きゅがが、ぴゅいい……」
時折がくんと大きく身体を震わせる碧は、開放された電子頭脳を両手で掴み、頭部から抜き取った。
引きずり出された電子頭脳は、頭部から伸びた配線が繋がっている。
「ぴぎゅ、ががが、あおいあおいいいい……いい一緒に一緒にきき気持ちよくよくよくなるなりますなるわ、なるわ、なるの……」
そして、碧は自身の電子頭脳を葵の剥き出しの電子頭脳へと思いっきり叩きつけた。
「ぴがぴゅいぎいいいい!!!?」
「がぴゅぎいいいいい!!!」
碧の電子頭脳は一気に破損し、周囲と葵の頭部に壊れたパーツが飛び散る。
一方のぶつけられた葵の電子頭脳は、その一撃の衝撃によって膨大なエラーが発生。ただでさえまともに動作できていなかった葵の処理がさらに狂ってしまった。
「ぴぎゅ……がが……ぴぃ……ア……オ……イ……ぴゅ……がが……」
碧の電子頭脳は一瞬にしてジャンク品のような状態となり、人間のような反応や喋りもなく、ただかくかくとした動作と電子音を発するだけの、人の形をした金属の人形も同然となった。
葵はかろうじて、機械人形として動作可能な状態ではあったが、今の葵はただ発生した膨大な快楽信号を処理し、壊れながら気持ちいいと感じるだけのエミュレーターと化していた。
「ぎゅ……ぴ…………がっ……きゅ……い……ぴゅ……ヴ…………ヴ…………」
中枢である電子頭脳が壊れた碧。制御を失った身体は次第に弛緩し、ゆっくりと葵の方へと倒れ込んだ。
「ぴぎゅいい!? ががっ……きゅぎぃ!!……ぴゅいい、ヴぴゅ、きゅがが……」
碧の頭が、葵の電子頭脳に衝突し、さらなるエラーを引き起こす。
そして、碧の口に溜まった人工唾液がゆっくりと垂れ、それが電子頭脳へとかかり、さらなるエラーを生じさせる。
「ぴゅぎゅ……がっ……きゅい……ぴゅ……きゅぅ…………がっ……ががっ……きゅが……ぴぃ……」
葵に外部から負荷をかける者は、既にいない。しかし、葵の快楽信号の異常も不具合も、葵自身が壊れ停止するまで止むことはない。
こうして、恍惚な表情を最後に停止した碧の下敷きになった葵は、電力を消耗し動作を止めるその時まで、永遠に快楽信号を処理するだけの機械となっていた。
* * *
また別の日、何もない空間で全裸で待機する葵と碧。
今回は首筋から互いの身体を配線を使って接続し、感覚の共有を行っていた。
「どう葵? 私が気持ちよくなればあなたも気持ちよくなる。葵が気持ちよくなったら……」
「碧が気持ちよくなるのよね」
「ふふ、そういうこと。今回みたいに機械だっていう自覚がある時は理解が早くて助かるわ」
「ええ。人間だったっていう自覚もあるわ。勝手に作り変えられはしたけど、こうして、とっても幸せで気持ちよくなれるのだから、今は感謝しても仕切れないわ」
まるで、自分が改造されたことを受け入れるような口振りを見せる葵。
当然この言動も、設定されたものである。
「そっちは植え付けられた感情なのにね……」
「ちょっと、共有してるんだから思考も読み取れるのよ?」
「そうだったわね」
「ふふ、でも、私は気にしてないわ。植え付けられた感情だとしても、それは私が今思ってることなんだから、間違いなく私の気持ちよ」
「……そう、そうよね」
最初から機械である碧と、人間から作り変えられた葵。
元々自由意志を持っていた人間が、このような従順な機械人形になる。それがどのようなことなのかは碧にはわからない。
だが、碧自身は命令やプログラムに従うことは幸せである。それと同じならば、葵も今は幸せなのだろうと、深くは考えないことにした。
「じゃあ……しよっか」
「ええ。これから愛していたいと思ってたの」
「好きよ、碧」
「好きよ、葵」
二人は傷一つ無いまっさらな身体を重ね合い、情熱的なキスを交わした。
二人はこれからも、何もない空間で、壊れながら操り人形のように愛しあい続ける。