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「クソッ……アタシに何をするつもりだい?」


 アイリスの一人であるギゼリック・ファウスタは絶体絶命の危機に陥っていた。

 他のアイリスたちと共に地上で依頼をこなしてそれ自体は簡単に済んだのだが、軽く吞んでいこうと入った酒場で酒を飲んだ後の記憶がない。

 しかも一杯目で記憶が途切れているので、酔いつぶれてしまったという線はないだろう。

 となると一服盛られてしまったと考えるのが正しい。

 そして気が付けば自分は拘束されており、目の前には見知らぬ男が立っている。


「これより懐柔に移る」


 男はギゼリックの質問には答えない。

 懐柔ということは自分を味方に引き入れようということだろうか。

 しかしアイリスという仲間たちがいるのだから、ギゼリックがこの男の仲間になるなどありえない。

 目の前の男に見覚えは全くないが、どことなく天使と同じような雰囲気を身にまとっていた。

 表情も全く変わらず人形のようであり、そう言う意味では不気味さすら感じてしまう。


「他のみんなはどこにやったんだ?」


 リディアとアナスチガルと一緒に地上に来たのだが、二人の姿が全く見えない。


「あの二人はもう俺のモノだ」

「はぁ? 何わけのわからないことを言って――っ♡」


 天使が突然自分の肉棒を露出させる。

 ギゼリックは生娘というわけではなく冥王と何度も肌を重ねているが、彼以外のモノをまともに見るのは初めてだ。

 そしてその大きさや存在感が冥王のそれとは違いすぎて目を離せない。


「ま、まさか懐柔って……そいつでアタシを犯すつもりじゃないだろうね?」

「その通りだ」


 ギゼリックからサッと血の気が引く。

 目の前の巨大な肉棒が自分の中に入るなど想像もできない。

 入れられた瞬間に身体が裂けてしまうのではないかと本気で恐怖してしまう。

 その恐怖が大きすぎて子宮が疼いていることにギゼリックは気が付かなかった。

 他のアイリスたちは心配であり、いきなりこんな訳の分からない状況になってギゼリックは混乱してしまう。

 しかし彼女には冥王への想いが存在する。


「待ちな」


 最後の一線だけは守りたいとギゼリックの魂が叫び、彼女は自然と口を開いていた。


「アタシを犯すつもりなのはわかったが、一つ賭けをしないかい?」

「賭けだと?」

「ああ。アタシが口を使って満足させられたらアタシの勝ち。そこで解放してもらおう。満足させられなかったらアンタの勝ち。その時はこの体を好きにすればいいさ」


 冥王に奉仕をした時も満足してもらえたので、きっとこの男も満足させることができるはず。

 ギゼリックはそう考えて提案をしたのだが、天使からすれば賭けを受ける必要などない。


「……条件がある。常に深淵を身に纏え」

「深淵を?」

「それが切れても俺が満足していなければお前の負けだ」

「時間制限って事かい。わかった。それで構わないよ」


 ギゼリックからすれば何も問題はない。

 深淵による身体強化には確かに時間の制限があるが、射精させるには十分すぎる時間があるからだ。


「それじゃあ始めようか」


 ギゼリックが天使の前にしゃがんで肉棒に顔を近づける。

 オスの強烈な匂いに熱気まで伝わってくるほどで委縮してしまったが、すぐに深淵を発動させて身に纏う。


(こんなでかいだけのモノにビビってちゃ、放埒の女王の名が廃るってもんだ)


 覚悟を決めてそれに口を近づけていく。


「ん――ちゅ。れろぉ……ちゅるる……はぁ、大きさだけはなかなかじゃないか……すぐにイカせてやるよ。ちゅるるうう」


 肉棒の先端にキスをしてから竿全体を舐めていく。

 唾液を万遍なくまぶした後に先端を咥えこんで、竿の部分を手で扱き始めた。


(クソ、冥王のよりデカくて咥えにくいね……まぁ竿は扱きやすいけどさ……)


 先端を咥えて竿を扱くのは冥王にもやったことがあるが手で握る部分が多くて竿を扱きやすい。

 肉棒そのものの熱さが違うので手や舌で触れているだけで火傷してしまいそうだ。

 けれどギゼリックは臆することなく賭けに勝つために奉仕を続けていく。

 口や手の中で肉棒が跳ねるのを感じると、クスっと笑いながら天使を見上げる


「んむっ! れりゅううう! じゅるるうううう! おやおや、気持ちよさそうにぴくぴくしてるじゃないか。すぐにイカセてやるとは言ったけど、ファウスタの王の奉仕なんてなかなか受けられないんだから、はやく出したらもったいないんじゃないのかい? ちゅるるううう」


 挑発するように言葉を投げかけても天使は無反応のままだ。


(もう感じてるのはわかってるんだ。すぐに勝負を決めてやるよ)


 一度肉棒から口を離すと、玉袋を優しく甘噛みしながら竿を扱く。

 袋の皺の一本一本を伸ばしてふやけさせるように丁寧に舐めていき、袋の中の玉を舌で転がすように刺激していく。

 唾液まみれの肉棒は手で扱くとだんだんと我慢汁が溢れてきてギゼリックの手にもまとわりついた。


(匂いでクラクラしてきちまうね……)


 無意識のうちにギゼリックも興奮してしまっており、股をもじもじさせていた。

 それだけでは我慢できなくなったのか、空いている手でオナニーを始めながら奉仕を続けていく。


「はむっ♡ れりゅううう♡ じゅるるるうう♡ ほら、ここが気持ちいいんだろ♡ ちゅうう♡ タマも丁寧に舐めてやるからさ♡ ちゅっ♡ れろぉ♡ ここに溜まってる精子をぶちまけちゃいな♡」


 玉袋を手で揉みしだきながら竿にキスを繰り返していく。

 掌で玉袋を持ち上げるようにして見ると、ずっしりとした重さを感じてしまう。

 冥王に同じことをしてもここまでの重さなど感じなかったので、もしかしたら二回ほど搾り取る必要があるのかもしれない。


「そんな奉仕ではいつまでたっても出せんぞ」

「へぇ……言ってくれるじゃないか♡ 後悔するんじゃないよ♡ あ――むっ♡ れりゅううう♡ じゅるるうううううう♡」


 天使の挑発にギゼリックがカチンときたのか、いきなり天使の巨根を根元まで咥えこんだ。

 喉の奥に先端が当たり、そこを擦られるたびにギゼリックも感じてしまう。

 なぜか子宮まで疼き始めて、秘部を弄っている指の速度も上がっていく。

 頭を激しく前後に動かして肉棒を扱いていくと、先ほどよりも気持ちよさそうに口の中で肉棒が震え始めた。


「んむっ♡ んうううう♡ じゅるるうううう♡ ぷはっ♡ 随分と震えてるじゃないか♡ 可愛いねぇ♡ ちゅっ♡ これじゃあ冥王のほうがよっぽど男らしかったよ♡ れりゅう♡ こんな情けないモノを受け入れるなんてごめんだから、さっさと勝負をつけさせてもらうよ♡ はむっ♡ じゅるるうううう♡」


 天使を挑発しながらギゼリックがスパートをかけていく。

 実際は冥王にする時よりもギゼリック自身が感じてしまっている。

 オナニーにも熱が入っていきギゼリックも絶頂に近づいているなかで、天使の肉棒が一回り大きくなって震え始めた。

 射精の前兆だと感じ取ったギゼリックは、自身の快楽を無視して必死に顔を動かしていく。


「ちゅるっ♡ れりゅうう♡ ほら、出しちまいな♡ れりゅうう♡ じゅるるううう♡ 情けなくイッちまいなよっ♡ ちゅるるうう♡ れりゅううう♡」


 ――びゅるるるるうううううううううううううううっ!!


「んむううううっ♡ んううううううううっ♡」


 ギゼリックの口の中で天使の肉棒が大きく跳ねた。

 同時に放出された精液をギゼリックが飲み込んでいく。

 胃の中に熱いゼリーのようなものがぼたぼたと落ちていく感覚を感じながら、ギゼリック自身も絶頂してしまう。


(あ、熱いっ♡ 量も多くてっ♡ こ、濃すぎる……♡)


 飲み込むのに一苦労なほどの量と粘度の精液を何とかのみこんでいく。


「ん……ちゅるるうううう……ちゅぽんっ♡」


 やがて射精が収まると、ギゼリックは言われてもいないのに尿道に残った精液も吸い取った。

 そもそも精液を飲めとも言われていないのだが、彼女は本能的に口の中で天使の精液を受け止めたのだ。


「はぁ……♡ はぁ……♡」


 チラリと天使を見ると、彼の肉棒はまだ勃起したままだった。


「俺はまだ満足していないぞ」

「わ、わかってるよ」


 一度では済まないかもとは思っていたが、休憩も挟まずに連続でとは思っていなかった。

 冥王は一度出したら小さくなってしまうので、男はそう言うものだと思っていたのだ。


「アタシの奉仕を二回も受けられるなんて、アンタは運がいいね。次はどのくらい持つか楽しみだよ」


 ギゼリックはもう一度奉仕を始めた。

 けれどもう一度出しても天使は全く萎えることはなく、三回出しても衰える気配がない。

 むしろますます硬くなってきているようにも思えてしまう。

 四回出しても天使はケロリとしており、ギゼリックはもう一度それを咥える。


「んむっ♡ んうううっ♡ んっ♡ んぶううううっ♡」


 深淵を身に纏っているとはいえギゼリックにも疲れが見え始めていた。

 天使が射精をするたびに絶頂するようになってしまっており、冥王とは一回で終わりなのでこんなに連続でイクのは初めての事なのだ。


(い、いつになったら終わるんだい♡ んっ♡ の、喉の奥が擦れて――か、感じちまうじゃないか♡)


 いつの間にか奉仕と呼べるものではなくなっており、天使はギゼリックの頭をがっちりと掴んで自分で腰を動かしていた。

 肉棒の先端で喉奥を何度もこすり、その度にギゼリックの全身に快感が走る。

 自分の口を性欲処理のための穴として使われるという屈辱しか感じない行為のはずなのに、なぜかギゼリックの身体はそれを喜んでしまっていた。

 冥王が絶対にしてくれないやり方で、新しい性感帯を見つけられてしまった気分だ。

 これは勝負でも奉仕でもなく、自分は天使に調教されてしまっているのだとギゼリックがようやく気が付いた瞬間……


「んっ♡ んむうううっ♡ んあっ♡ ……はぁ♡ はぁ♡ な、何で抜いちまうのさ♡」


 天使がギゼリックの口から肉棒を抜いてしまったのだ。

 そして彼女は自分の身体の変化に気が付く。

 深淵の効果が切れてしまっているということに。

 天使のモノはガチガチに勃起したままであり全く満足していないのがわかる。


「賭けは俺の勝ちだ」

「う……」


 言い訳できないほどの敗北。これで犯されてしまう事が確定してしまったが、四回も出したのに本当にこの後セックスができるのだろうか。

 などと言うのはただの杞憂だ。

 ギゼリックは勃起している肉棒から目が離せないのだから。

 四回も射精したのにまだ自分を求めてくれる肉棒を見てメスの部分が疼き始める。


「冥王との違いを理解したか」

「っ♡ ……そ、それは……♡」

「四つん這いになれ」


 勝者に命令されてギゼリックがおとなしくそれに従う。

 犬のような格好になって尻を向ける。しかし深淵の反動で全身に上手く力が入らない。

 手で身体を支えている事すらできなくなり、肘をついて尻を上げるような格好になる。

 すでに愛液でビショビショのショーツを天使がずらすと、肉棒の先端をクチュっと秘部に当てて擦り始める。


「ひあっ♡ ああああっ♡ 熱くて硬いっ♡ んっ♡ か、感じちまうっ♡ ふああああっ♡ 擦られただけでこれなら、入れられちまったら――あ♡」


 めりめりっと頭の芯まで鈍い音が響いてギゼリックの中に肉棒が入ってくる。

 凶悪な形なのは知っていたが、少しずつ進入してくるたびに壁が削られて、膣の中の形が変わってしまいそうだ。

 そのままゆっくりと天使の肉棒はギゼリックを埋め尽くしていく。


「んぎいいっ♡ んああああああああっ♡」


 根元まで挿入した瞬間にギゼリックが軽く絶頂してしまった。

 膣を内側から拡張されている感覚に口をパクパクさせながら耐えていると、その余韻が引く前にすぐに天使が動き始める。

 ギゼリックの尻をがっちりと掴んで指を食い込ませながら、彼女の身体を壊す勢いで激しく腰を打ち付けていく。


「んひいいいっ♡ ああああっ♡ ふああああっ♡ い、いきなり激しっ♡ んううううっ♡ ふあああああああっ♡」


 ギゼリックの身体を一切気遣う事のない激しい抽送に、結合部から愛液がどんどん飛び散っていく。

 彼女の服の前をはだけるとぶるんっと大きく揺れて乳房が露出した。

 それを鷲掴みにしながらギゼリックの膣内を蹂躙していく。


「んっ♡ ふあああっ♡ 胸をそんなに強くっ♡ ひあああっ♡ ああああああああっ♡」


 アイリスでもトップクラスに大きな胸に指を食い込ませて形を変えていく。

 乳首を掌でつぶすように押し付けて柔らかさを温かさを堪能した後に、乳首を引っ張って乳房の形をゆがめていく。


「ひあああっ♡ んああああっ♡ か、感じすぎちまうよっ♡ ああああっ♡ き、気持ちいいっ♡ んひいいいいいっ♡」

「減らず口は叩かないのか」

「あんっ♡ ああああっ♡ そ、そんなの、ひあっ♡ 言っても意味がな――ああああああああっ♡」


 先端で子宮口をゴリゴリと擦られてもう一度ギゼリックが絶頂した。

 深淵の反動なのか今のギゼリックはメンタルも少し弱っている。

 フェラをしながら強気で言い返していた時とは違い、責められても何も言い返すことはできないのだ。

 もう一度尻を掴まれて腰を打ち付けられる。

 肉棒のカリの深い部分で膣の壁をガリガリと削られるたびに、ギゼリックは冥王の形を忘れていく。


「んあああっ♡ アタシの中が変えられてるっ♡ んひいいいっ♡ き、気持ちよすぎておかしくなっちまうよっ♡ こんなのは初めて――ひあああああああああっ♡」

「この程度で終わると思うな」

「ああああああっ♡ まだ激しくなるなんて、あんっ♡ す、すごいよアンタ♡ セックスがこんなに気持ちいいなんて知らなかった♡ もっと♡ もっと突いとくれっ♡ ふああああっ♡ ああああああああっ♡」


 尻を上げたはしたない格好でギゼリックは犯され続ける。

 ファウスタの女王である自分が敵に犯されてはしたなく喘いでいるなどきっと誰も信じないだろう。

 しかしそんなあり得ないことが自分に起きているのだ。


「んひいいいっ♡ もっと突いとくれっ♡ ひあっ♡ 胸も好きに触っていいからっ♡ ああああっ♡ お、女になっちまう♡ アイリスでも女王でもないただの女に♡ ふああああっ♡」

「このまま俺のモノにしてやろう」

「ひあああっ♡ そ、そんなことを言われちまったら逆らえないじゃないかっ♡ ひぎいいいいいっ♡ 堕とされちまうっ♡ このままじゃあ堕とされっ♡ ふあああっ♡ ああああああああっ♡」


 フェラで満足させることができずに冥王との違いを見せつけられて、今もこうしてオスとしての格の違いを教えられている。

 愛し合うようなセックスではなく、道具のように使われるセックスがこんなに気持ちいいとは思ってもいなかった。

 冥王では絶対にできないセックスにギゼリックはどんどんおぼれていく。

 深淵の効果が切れて弱気にもなっているので、天使に自分のモノにするなどと言われると心がときめいていまう。

 一度天使が動きを止めて、ギゼリックの尻を撫でまわす。


「はぁ……♡ はぁ……♡ や、やるじゃないか……♡ んひっ♡ ふあああっ♡ ああああっ♡」


 天使は肉棒を根元に入れたまま腰を大きくグラインドさせた。

 元々冥王とはサイズが違いすぎる巨根によるすさまじい圧迫感で膣を拡張されていたギゼリックだったが、今度はより膣を広げられているという感覚を感じる。

 自分の肉棒の形をこのセックスで完全に覚えこませるかのような天使のセックス。

 ギゼリックはうっとりした表情で涎を垂れ流して完全に浸っていまう。


「ふああああっ♡ か、感じる♡ アタシの中がアンタ専用になってるのを感じるよ♡ あああっ♡ ひああああっ♡」

「冥王のモノでは感じることができなくなるぞ」

「~~~~っ♡ それでもいいから続けとくれよ♡ んひいいいいっ♡ 冥王よりもあんたの方がずっと気持ちいいんだ♡ あああっ♡ も、もう冥王に抱かれても気持ちよくなんてなれないからさぁ♡ あひっ♡ んああああああああっ♡」


 膣の中で肉棒が一回り大きくなって震え始めると、天使がギゼリックのクリをイジメながらスパートをかけた。

 後背位なのでそこに触りやすく、指で何度も触れて刺激しつつ抽送を速めていく。

 愛液まみれのそこは激しく触れられても痛みを一切感じることはなく、ギゼリックを更なる高みへと押し上げていく。


「んひいいっ♡ んうううっ♡ 堕ちるっ♡ 堕とされちまうっ♡ あああっ♡ こ、こんなたくましい男に、あんっ♡ 勝てるわけないだろっ♡ ひあああっ♡ こんなの初めてなんだよっ♡ 負けるのが気持ちよくて幸せでっ♡ ふああああっ♡」


 オスに屈服するというメスにのみ許された幸せをギゼリックは初めて感じているのだ。

 何もできずに犯されているという無力感が、快楽のためのスパイスになるなど想像もしていなかった。

 冥王の事が完全に頭から消え去って、天使の事しか考えられなくなる。


「ふあああっ♡ もうイクっ♡ イッちまうよっ♡ イクうううううっ♡」


 ――びゅるるるるうううううううううううううううっ!!


「ひああああっ♡ イクイクっ♡ イクウウウウウウウウウっ♡」


 マグマのように熱い精液をぶちまけられてギゼリックが絶頂した。

 子宮に精液が入ってくるのをはっきりと感じ取れるほど大量の、そして熱い精液を注がれる。

 子宮からギゼリックの全身にメスの悦びが広がっていき、身体が完全に天使の齎す快楽を受け入れてしまう。


「あ……んひっ♡ ふあっ♡ ……んっ♡」


 目を閉じて絶頂の余韻に浸っていたギゼリックだったが、やがて最後の一滴が子宮に注がれて射精が収まった。

 呼吸を整えようと努めるギゼリックは、膣の中で全く萎えていない肉棒の嫌でも意識を奪われる。


「はぁ……♡ はぁ……♡ ご、五回も出したってのに……アンタ、本当にすごい男だね……♡」


 冥王よりも遥かにオスとして優秀な天使に、ギゼリックは絶対に勝てないとわからされてしまったのだった。



 ギゼリックの絶頂の余韻が引かないうちに、天使は彼女の身体を抱き起す。

 後背位から背面座位になって、下からタプタプと弄ぶように胸を揉み始めた。


「ん……ひあっ♡ あぁ……アンタの指で、アタシの胸がどんどん形を変えて――あんっ♡」


 爆乳と言っても差し支えないサイズのギゼリックの胸に天使の指が埋まっていく。

 汗をかいてしっとりしている彼女の肌の感触を堪能しながら柔らかさも楽しんでいく。

 先ほど後背位で犯されていた時とか全く違う、優しくめでるような揉み方に、ギゼリックの全身から力が抜けていった。

 自分の肌が天使の指にしっとりと吸い付いているのがわかり、揉まれれば揉まれるほどに馴染んでいるのもはっきりとわかる。


「ひあっ♡ あんっ♡ まだ硬いままのアンタのが――ひあっ♡ アタシの一番奥に当たってるっ♡ んうううっ♡ ひああああっ♡」


 背面座位で抱きしめられながらじっくりと子宮口を突きあげられる。

 膣も蹂躙されているというわけではなく、肉棒の形にじっくりと馴染まされているようだ。

 激しくない分溺れてしまいそうな快楽は感じないが、その分お互いの身体の境界線が無くなり一つに溶けていく感覚があった。


「あんっ♡ ああああっ♡ 今度は随分とゆっくりじゃないか♡ ひあっ♡」

「嫌なのか?」

「嫌なわけないだろう♡ ふあっ♡ 最後まで、じっくり愛し合おうじゃないか――ちゅ♡」


 ギゼリックも腕を天使の首に回して唇を重ねる。

 そういえばキスは初めてだったと感傷に浸る間もなく、唇を強弱付けて何度も押し付けていく。


「れりゅう♡ ちゅっ♡ ちゅうう♡ ちゅるううう♡ はぁ♡ はぁ♡ ひあっ♡ コラ、胸を揉みながら――ちゅ♡ れりゅうう♡」


 胸を掴まれてプルプルと揺らされた後に、乳首を優しく扱かれる。

 道具のように使われるセックスから一転して恋人同士が愛を語り合うかのようなセックス。

 にもかかわらず膣内で感じる肉棒は、愛を語り合うなどとは言えないほど激しくオスの存在感を放っている。

 ギチギチと膣内を拡張してここは俺の場所なんだと言われているようだった。


「んっ♡ ああああっ♡ アタシの身体が、アタシのもんじゃなくなっちまったみたいだよ♡ ふあああっ♡ れりゅう♡ じゅるるううう♡」

「もう俺のモノだ」

「~~~っ♡ わ、わかってる♡ れりゅう♡ アタシの身体はもうアンタのモノだ♡ 好きにしていいから、ひああっ♡ ああああっ♡」


 舌が侵入してきてギゼリックの口の中を舐めまわしていく。

 膣も口も天使に完全に支配されており、今まで知らなかった快楽と幸せを更に教え込まれていく。


「ふあっ♡ ああああっ♡ だんだん感じすぎてっ♡ ふあっ♡ ふああああっ♡ ゆっくりなのになんでっ♡ んむっ♡ れりゅう♡ じゅるるううう♡」


 いつの間にか先ほどまでのセックスと同じくらい気持ちよくなってしまっている。

 激しさがない分快楽がじっくりと込みあがって来ており、子宮口を軽く突かれるだけでギゼリックの身体は痙攣してしまっていた。


(こ、こんなに気持ちいいなんて♡ あっ♡ 激しくされてもゆっくりされても冥王とする時より感じすぎちまう♡ ど、どこまでコイツに堕とされちまうんだよっ♡)


 身体だけではなく心の方も完全に天使に堕とされ始める。

 天使の首に回している腕にさらに力をこめて自分からも積極的に舌を絡めていく。


「れろぉ♡ じゅるるうう♡ いいよっ♡ 最高だよアンタ♡ ちゅるるううう♡ セックスがこんなに気持ちよくて幸せだなんて知らなかったよ♡ れりゅうう♡ ちゅっ♡」

「アイリスはみんなそう言うな」

「れりゅうう♡ じゅるるうう♡ 冥王は悪い奴じゃないけど、アンタのほうが男としては優秀だって事だろ♡ じゅるるうう♡ ひあっ♡ さっき出された精子もタプタプしてるっ♡ こんなにたくさん出してもらえるなんて、女冥利に尽きるってもんだ♡ あああああっ♡ ひああああっ♡」


 ギゼリックの身体を強く抱きしめながら天使がスパートをかけていく。

 左手では彼女の乳首を二つとも指で挟んで、乳房もまとめて揉みしだいていく。

 右手は秘部に伸ばしてクリをイジメながら子宮口をしつこいくらいのノックし続ける。

 天使の腕の中でギゼリックが絶頂に向かって一気に登り始めると、天使の肉棒が一回り大きくなって震え始めた。


「あんっ♡ ああああっ♡ 出そうなんだろっ♡ 出しとくれっ♡ アタシの中にあんたの熱い精子をたっぷり出しとくれよ♡ ふああああっ♡ 子宮を満たしてアタシに女の悦びを感じさせて――んひいいいいっ♡」


 ――びゅるるるるうううううううううううううううっ!!


「ひあああああっ♡ 熱いのが来てるっ♡ ふああああああああああっ♡」


 子宮口に肉棒の先端がぴったりと押し付けられた状態で、熱い精液を大量に注ぎ込まれる。

 当然ギゼリックは絶頂して、視界が真っ白になって何も考えられなくなる。

 オスに愛されているという実感を感じながらの絶頂は彼女の女としての幸福も与えていき、微かに残っていた冥王への想いも完全に消えさると、心までも天使の色に染められてしまう。

 キスでお互いの唾液をたっぷりと交換し合った後に、ねっとりとした唾液の糸を作りながら二人の唇が離れた。


「あ――あんっ♡ 何をして――ん♡」


 天使がギゼリックのうなじに吸い付くと口を離す。

 そこにはキスマークが付けられてしまっていた。

 冥王にも付けられたことのないオスの所有物だという印をギゼリックは天使に刻まれてしまったのだ。


「はぁ♡ はぁ♡ こんなことされても全然嫌じゃないよ♡ 身も心もアンタのモノになっちまったんだねぇ……♡ 冥王からアイリスを寝取っちまうなんて大した男じゃないか♡ ん――まだ硬いままだね♡」


 天使の肉棒は全く萎える気配がない。

 ギゼリックの身体もまだまだ犯されることを望んでいる。


「まだ可愛がってくれるのかい♡ 大した性豪だ♡」

「冥王は一度しかしてくれないのだったな」

「他のアイリスから聞いたのかい。ああ、そうさね。それが普通だと思っていたんだがそうじゃなかったみたいだ。冥王は一回出したらすぐに萎えちまうからねぇ……あんっ♡」


 乳首をギュッと抓られながら子宮をグリグリといじめられて、ギゼリックの口から甘い声が漏れた。


「望むのなら何度でもしてやる」

「……♡ 嬉しい事を言ってくれるじゃないか♡ 強い男に求められるってのはこんなにいい気分になれるんだね♡ また一つ勉強になったよ♡ でも次はアタシに奉仕させてくれないかい♡ ちょいと立っておくれよ」


 ギゼリックが天使から肉棒を抜くと、ごぽっと大量の精液が膣からあふれてきた。

 自分の中にこんなにもたくさん出してもらえたのだと思うとやはり嬉しさを感じる。

 何回でも子宮にオスの欲望を注いでほしい気持ちもあったのだが、先ほどの奉仕のやり直しをしたいという気持ちもあったのだ。

 天使が立ち上がるとギゼリックが正面にしゃがんで跪く。


「はぁ……オス臭くて子宮が疼いちまうよ♡」


 精液と愛液で汚れて勃起したままの肉棒に顔を近づけるとそれだけでギゼリックの子宮が疼いてしまった。

 先ほどとは違い愛情をたっぷりとこめて子宮の先端にキスを捧げる。


「ん――ちゅ♡ れりゅうう♡ じゅるるうううう♡」


 竿全体の汚れを舐めとっていき、それを綺麗にした後は手で扱きながら玉袋もきれいに掃除していく。

 相変わらず手で握っているだけで火傷しそうであり、玉袋にはずっしりと大量の精液が詰まっているのを感じる。

 冥王との格の違いを改めて思い知らされながら、ギゼリックは丁寧にお掃除フェラを続けていた。


「ちゅるるう♡ れろぉ♡ ふぅ、きれいになったね♡ でも本番はこれからさ――あんっ♡」


 爆乳を手で持って天使の肉棒を挟むと、ギゼリックの身体がピクンっと跳ねた。

 肉棒はすでに十分滑っているので、胸を上下に動かして刺激を与えていく。


「んっ♡ んうううっ♡ ほら、どうだい♡ アタシの胸の特別な奉仕だよ♡ ふあっ♡ ああああっ♡」

「冥王にもしたのだろう?」

「こ、コラ♡ 思い出させるんじゃないよ♡ ひあっ♡」

「思い出して冥王との違いを言ってみろ」

「あ、悪趣味だねぇ♡ ひあっ♡ ああああっ♡」


 ギュっと強く挟んで乳圧を強めながら、肉棒の包み切れない部分にキスの雨を降らせていく。


「あんっ♡ ひああっ♡ 冥王のと比べて、やっぱリ大きすぎるからアタシの胸でも挟み切れないね♡ ふああっ♡ れりゅう♡ じゅるるうう♡ それに、熱くて硬くて、挟んで扱くだけで感じちまう♡ ひあっ♡ そ、存在感って言うのかい? それも全然違って――ん♡ い、言わなくてもわかるだろう♡ 全部あんたの方が上だよ♡ こんなに逞しいオスの象徴で可愛がってもらえるのも、奉仕できるのも女として幸せだよ♡ んっ♡ んううう♡」


 左右の胸を別々に動かして肉棒を扱いていく。

 乳首も使って刺激を加えていくのだが、そこが擦れるとギゼリックのほうが感じすぎてしまう。

 それでも天使に奉仕しなければいけないというメスの使命感が働き、乳首でカリの深い部分を何度も擦って快感を与えていく。


「ふあああっ♡ 楽しいねぇ♡ んあっ♡ 胸でするのがこんなに楽しくて幸せだったなんて知らなかった♡ んっ♡ 知ったつもりになってただけで、知らなかったってだけなんだね♡ ふあああっ♡ む、胸だけでイキそうに――ふあああああっ♡」


 ビクンっとギゼリックの身体が大きく跳ねる。

 どうやら天使の肉棒を胸で扱いていただけで軽くイってしまったようだ。


「淫乱め」

「っ♡ あ、アンタのせいだろ♡ んっ♡ んううううっ♡ ほら、アンタも出しちまいなよ♡」


 激しく扱き始めるが、より一層ギゼリックも感じてしまう。

 扱くたびに自分の胸が天使の肉棒にしっくりと馴染んでいき、谷間の形が変えられているようだ。


「ふあっ♡ ああああっ♡ 胸がどんどん敏感になってるっ♡ ああああっ♡ いったいどれだけアタシの身体を変えれば気が済むんだい♡ ふあっ♡」

「そのまま胸を持っていろ」

「んっ♡ こ、こうかい♡ あ――ふあっ♡ ひああああっ♡ んあああああっ♡」


 ギゼリックが両手で胸を持ち上げて支えると、天使が彼女の肩を掴んで腰を振り始めた。

 先ほど口をそうされたように、今度は縦パイズリで自分の胸を射精するための道具として扱われてしまう。


「あんっ♡ あああああっ♡ すごいっ♡ 気持ちいいっ♡ アタシの胸がセックスしてるっ♡ ふあっ♡ ああああっ♡」


 腰を打ち付けられるたびに胸がタプンっと波打って乾いた音が響き渡る。

 奉仕しなければならないという感情は完全に消え失せており、天使が気持ちよくなる邪魔をするわけにはいかないとメスの本能が叫んで、ギゼリックは性欲処理の胴部になることに徹していた。

 だというのに胸だけで自分も天使と一緒に気持ちよくなってしまう。


「ひあああっ♡ ああああっ♡ こ、こんなの初めてっ♡ こんなの冥王はしてくれなかったよっ♡ アタシの胸を道具みたいに使うなんてっ♡ あんっ♡ ああああっ♡ もっと使っとくれっ♡ アンタに使われるのが気持ちよすぎるんだっ♡ 幸せすぎておかしくなるっ♡ ふあああああっ♡」


 谷間の中で肉棒が一回り大きくなって震え始めた。

 射精の前兆を感じたギゼリックはさらに強く胸で肉棒を挟み、天使の抽送の速度もどんどん上がっていく。


「あっ♡ ああああっ♡ アタシもイっちまう♡ 胸だけでイクっ♡ 道具にされて一番気持ちよくなっちまう♡ ふあああああっ♡」


 ――びゅるるるるうううううううううううううううっ!!


「んあああああっ♡ 熱いのがこんなにっ♡ ひあああああっ♡」


 ギゼリックの谷間で熱い精液が弾けて、彼女の乳房を真っ白に汚していく。

 べっとりと付着した精液の熱さで火傷したのかと思うほどだった。

 あまりにも濃いので胸から垂れることなく付着したままであり、最後にどぴゅっと濃い精液を出して射精が収まる。


「あ……あぁ……んひっ♡」


 天使が肉棒を抜くとギゼリックが胸を広げる。

 彼女の胸は真っ白に染められており、匂いが染みついて二度と取れないのではないかと思ってしまった。

 うっとりした表情で気持ちよくなってもらえたことを喜んでいると、ぺちんっと天使の肉棒で頬を叩かれる。

 掃除をしろ、と無言で命令されている事に気が付き、ギゼリックは喜んでそれの掃除を始めた。


「ちゅるるう♡ れろぉ♡ ちゅるうう♡ まだ硬い……♡ もっとしておくれよぉ♡」


 全てを天使に支配されてしまったギゼリックは、子宮を疼かせながら次のセックスに期待するのだった。



「はぁ……こんなに乱れちまったのは初めてだよ……♡」


 セックスが終わって体を綺麗にした後に、二人は裸で寄り添いあっていた。

 ギゼリックは天使に肩を抱かれて、うっとりした表情でご満悦の様子だ。

 冥王とのセックスでは絶対に得ることのできない悦びと快楽を心と体に徹底的に刻み込まれてしまい、女王と呼ばれている女はただの恋する乙女のようになっている。


「これ一つでアタシを落として惚れさせちまうなんて、大した男だねぇ♡」


 ギゼリックが天使の肉棒を撫でながら呟く。

 今は勃起していないがそれでも冥王の勃起した状態よりも逞しさを感じてしまう。

 女を落とすことだけに特化しているようなオスの象徴。これを味わってしまえば女は誰も天使に逆らえないだろう。


「威勢がいいのは最初だけだったな」

「う……イジワル言わないでおくれよ♡ アンタ相手に女が抗えるわけないだろう♡ これからもこのカラダでたっぷりと奉仕するからさ♡ あんたみたいな男に尽くせるのは女冥利に尽きるってもんだ♡」


 女としての本当の幸せを知ってしまったギゼリックは天使に尽くすことをためらうことはない。


「アンタこれからどうするんだい? 他のアイリスもみんなアンタのモノにしちまうつもりかい?」

「そのつもりだ」

「はは、冥王から女を奪うなんてどこまでもでかい男だねぇ。面白そうじゃないか。みんなアンタのもんにしちまいなよ♡」


 元天上人であり冥界の主でもある冥王から女をすべて奪う。

 ギゼリックからすればそれは面白そうなことにしか思えない。

 そして自分が惚れたこの男ならやってしまうのだろうという確信もある。


「次は誰を落としちまうんだい?」

「方針は考えてある」

「そうかい。まぁ好きにやってみるといいさ。手伝えることがあればいつでも言っとくれよ♡」


 ちゅっとギゼリックが天使の頬にキスをする。

 この男にどこまでも付いていくことを決心しながら、ギゼリックはもう少しだけ天使に寄り添っていた。



 冥界のエディア・ローファ樹理学園。その学園長であり冥界の主でもある冥王ハデスはどうしたものかと悩んでいた。

 その原因は目の前にいるアイリスたち、そして彼女たちが連れてきた一人の男によるものだ。


「あなた達。冥界に天使を連れてくるとは何を考えているのですか?」


 冥王の隣に立つベアトリーチェもしかめっ面になっている。

 理由は今彼女が言った通り。

 学園長室に入ってきたコト、ラディス、アナスチガル、リディア、そしてギゼリックは、あろうことか天界の兵士である天使を連れてきたからだ。

 過去に天使に襲撃に会って学園にも大きな被害が出ている。アイリスにとって明確な敵である天使を冥王の前に連れてくるなど、冥王を心酔しているベアトリーチェからすればありえない行為だ。


「まぁまぁベア先生。落ち着いて聞いとくれよ。それに天使の一人くらい冥王ならどうとでもなるだろう?」


 ギゼリックの言葉に確かにその通りだと冥王が頷いた。

 冥王は地上では村人Aレベルの力しかないのだが、冥界ではまさに最強と言っていいほどの力を持っている。

 それこそ天使の一人くらいいつでも始末できるほどに。


「冥王様。わたくしの方から詳しい説明をさせていただきます。まずわたくしたちは5人で人間界に向かい依頼をこなしていたのです。その際にこちらの天使さ――こちらの方と遭遇して戦闘になりました」

「ゼロノスの配下なのですから当然でしょう。それで捕虜にしたとでもいうのですか?」

「違う違う。戦闘中に気が付いたんだけど、コイツってば魂が出来たみたいなんだよねー」


 ラディスの言葉にベアトリーチェの顔色が変わった。

 天使は魂を持たないとうのが普通だからだ。


「多分アタシの《深淵》の影響を受けちまったのかもしれないね」

「つまり私と同じで堕天使になったって事よ。私と同じね!」


 なぜかリディアが嬉しそうにしており、他の者たちが少しムッとしている。

 冥王が確認して見ると、目の前の天使には確かに魂が存在していた。


「それで戦いが中断になって、ゼロノスの言いなりもヤダーって言ってたから、どうしよっかなーって話になったんだ。だからにーさんに相談してみようってことになったわけ」

「なるほど……事情は分かりましたが、面倒くさがりなあなたが一緒に説明に来たのは意外ですね」

「当事者だし一応ねー」

「このお方にもはや冥王様に対する敵意は一切ありません。ですがゼロノスを裏切ったとなれば殺されてしまうでしょう。そこで冥界に住まわせてはいただけないでしょうか?」

「ねぇねぇ、いいでしょ冥王! 私だって元天使だけどアイリスの一員にしてくれたじゃない!」


 なるほど、と冥王はここまでの経緯に納得した。

 ギゼリックの深淵に触れたことで魂が生まれたのは間違いないだろう。

 魂を持つことになった天使はリディアを含めて二人目だが、彼女と同じく見守ってあげたいという気持ちはある。

 しかし違和感が一つ。

 戦うだけで天使に魂が生まれるのならば、今までリディア以外の天使に魂が生まれなかったのはどうしてだろうか。

 とはいえ実際に魂を感じるしこの天使からは敵意などは感じないのも確かだ。

 わかった、かまわないよと許可するとアイリスたちの表情がパッと明るくなった。


「やたっ! さっすがめーおー!」

「ありがとうございます冥王様。それともう一つ提案なのですが、この方を生徒や教員ではなく、用務員という形で学園に置いてはいただけないでしょうか?」

「用務員ですか? 別にそこまで人手不足というわけではありません。冥界の住人として暮らしてもらうだけで十分でしょう」

「いいえ、ベアトリーチェの負担が大きいとわたくしは考えています」

「私を見て天使は掃除も得意だってことは知ってるでしょ? きっと役に立ってくれるわよ」

「料理とかもできるみたいだし、寮母みたいな役目をやらせるのもいいんじゃないかい?」


 この学園に寮母のような存在はいないし、強いて言えばベアトリーチェだろうか。

 用務員も学園の雑用などとやってくれるものがいるに越したことはない。


「慣れるまで時間がかかってしまうかもしれませんが、スクールカウンセラーのわたくしがしっかりとサポートを行います。わからないことや悩みがあればいつでも相談に乗りますしね。もちろん甘やかすつもりはありませんよ。まずは規則正しい生活を送ってもらうために、毎朝わたくしが起こしてさしあげますね♡」

「ちょっと待った! それってアナの負担が大きくなるんじゃないの? 朝起こすくらいあたしが毎日やるってーの」

「ラディスが起こしたいだけでしょ! 私だって毎朝――」

「静かにしなさい。それに朝くらい一人で起きてもらわないと困ります。それこそ用務員など任せることができません」

「ですが様々な雑用を任せることができれば、ベアトリーチェが冥王様に尽くせる時間が増えるということですよ?」


 アナスチガルの言葉にベアトリーチェの表情が一瞬で笑顔になる。


「ご主人様。幸いアナスチガルが教育係をやりたいと言っている事ですし、この天使を学園の用務員にしてみてはいかがでしょうか?」

「変わり身速すぎっしょ……」


 ベアトリーチェの変わり身の早さはともかく、アイリスたちの意志を基本的に尊重するスタンスを冥王は取っているので、それ自体は特に反対ではない。

 とはいえ本人の意思が一番重要なので天使に「やってみる気はある?」と確認を取る。


「やってみたい」


 口数か少なくリディアとは性格が全く違うが、少なくともやる気はあるようだ。

 それならば冥王が反対する理由はなくアナスチガルの提案を飲むことにした。 


「えへへ、ありがとにーさん」

「それではわたくしは学園の案内をしてきます。さぁ天使様、参りましょう♡」

「ちょっとアナ! 何一人で行こうとしてるのよ!」

「アタシたちもいくに決まってるじゃないか」

「そんじゃあねめーおー」


 アイリスたちは天使の腕を引いてさっさと学園長室から出て行ってしまった。

 アナスチガルが天使様と言っていたような気がするが聞き間違いだろうか。


「まず本当に仕事がちゃんとできるのかを確認して、もしもできていた場合は……」


 ベアトリーチェは天使に任せられそうな仕事を考えている。

 この学園もますます賑やかになりそうだと冥王は感じていた。

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