彼女たちのお茶会 (Pixiv Fanbox)
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「さてと……エリィさん、こんな感じでいいかしら」
「ええ、アリサさん。問題ないと思うわ」
アリサ・ラインフォルトとエリィ・マクダエルの二人がお茶とお菓子の用意を終える。
テーブルの上には一目で美味しいとわかる様々な種類のお菓子が並んでいた。
「それにしてもどれも美味しそうね。シャロンさんが作ってくれたんだったかしら?」
「ええ、腕によりをかけて作ってくれたわ。最も暗示をかけてあるから本人はこれを作った記憶はないでしょうけどね」
「クロスベル再事変の時も紅茶を頂いたけど、とても美味しかったから楽しみね。今日は企画をしてくれてありがとう。私もみんなとゆっくり話す時間が欲しいと思っていたところなの」
「ふふ、黒の工房の工房長としてみんなと親睦を深めたいと思っていたのは私も同じよ。全員の参加は無理だったけど、エリィさんがスケジュールを調整してくれて何人か集まってよかったわ」
今日は黒の工房のメンバーを集めてちょっとしたお茶会を開くことになっていた。
アリサとエリィは博士の女となったことでさらに親しくなっている。
黒の工房のメンバーもだいぶ増えてきたので、親睦を深めようとアリサが企画したのだ。
それを聞いたエリィが博士の女たちのスケジュールを見て、集まれそうなメンバーに声をかけた。
「アリサさん、エリィさん、お待たせ」
「あら、もう用意が出来てるみたいね」
「わぁ! すっごく美味しそう!」
お茶会の残りの参加者であるエステル・ブライト、レン・ブライト、ラピス・ローゼンベルグが部屋に入ってくる。
「今日は呼んでくれてありがとう」
「いいえ、エステルさんも遊撃士として忙しいのに、来てくれてありがとうございます」
「気にしないでアリサさん。仕事は全部ヨシュアに押し付けてきたから問題ないわ」
「私はちょうど時間が空いていたから問題ないわね」
「ナーディアも来たがってたけど博士に頼まれごとをされてたから無理だったわ。ねぇ、それよりもこれ食べていいのよね!」
食いしん坊のラピスはすでにテーブルのお菓子に釘付けになっている。
レンがそれを制して全員席に着くと、紅茶も全員分入れて準備が整った。
「いっただっきまーす!」
ラピスがすごい勢いでお菓子を食べ始める。
「全く……もう少し味わって食べなさいな」
「人形の身体じゃなくなってもよく食べるのね」
エリィがしみじみと呟く。
今のラピスは人形の身体ではなくノバルティス博士が作った生身の身体になっている。
博士の女として活動するときはいつ博士に求められてもいい様にしているという理由もあるが、単純に人形の身体よりも博士の作ってくれた体のほうが気に入っているのだ。
「本当はずっとこの身体で過ごしたいけど我慢してるんだよ。食べ物もこっちの身体で食べるほうが美味しいもん。はぁ……毎日この身体で過ごしたいなぁ。ヨルグの作った身体はもういらないわ」
「あなたって博士からの指示なんてナーディアに任せて毎日美味しいものだけ食べてそうね」
「そんなことないわよ。二人ともしっかりとデータを送ってくれて助かっているもの」
アリサは工房長としてデータもチェックしているが、ラピスもナーディアも十分博士の期待に応えてくれている。
「ラピスたちも頑張ってると思うけど、工房長さんと秘書さんが有能だと本当に助かるわ」
「うんうん。アリサさんが工房長になってからは実験や研究もスムーズになったし、エリィさんが秘書になってからは実験や調整のスケジュールもスムーズになったしね」
「私は技術者としては使い物になりませんから、このくらいしかできないんです。工房長なんて他にも適任這いますし、エステルさんの存在のほうが大きいと思いますよ」
「クローディア殿下への暗示が完璧になったんですよね」
「ふふん、任せて。クローゼと父さんに暗示をかけたからこれであの二人はいつでも博士の操り人形よ。リベールの機密情報なんかもいくらでも横流しできるんだから。オリビエとシェラ姉も同じようにしたから帝国からも機密情報を引き出したいんだけど、あの二人ってそういうのはあんまり持ってないのよねぇ。はぁ、役に立たないんだから」
エステルが大きなため息をついて紅茶を一口飲んだ。
かつての仲間に暗示をかけて操り人形にしただけではなく、役に立たないと侮辱までするなど以前のエステルからは考えられない。
しかし彼女は自分がおかしいと思っておらず、この場の誰もがエステルを責めることもしない。
「あ、そうだ工房長さん。頼まれていたZCFの件なんだけど、ティータとエリカおばさんには私が暗示をかけておいたわ。そうしたらあなたの読み通りだったみたいね」
「ええ、すごく助かったわ。これで博士の研究もさらに進みそうね」
「そういえばレンが暗示をかけてたわね」
「ZCFも技術連盟に加入しているから研究データは工房長さんに行くのだけど、技術連盟に提供しないデータも山ほどあるはずだって工房長さんが睨んでいたのよ」
「ああ……そういえばティオちゃんも同じことを言ってたわ。エプスタイン財団も秘匿してる研究があったって。もっともティオちゃんが全て博士に提供したみたいだけど」
「私とナーディアもお手伝いしてるよ。確かアルドラだったかしら。一番偉い人をナーディアが拷問したから、その内ZCFと技術提携するんだって。あとゼクトアームズ……だったっけ。そこのおかしな人にも暗示をかけたから、データはぜーんぶ博士のモノだよ」
「表の技術の研究内容はすべて博士に提供するべきなのに隠すなんてありえないわよね? 博士のお役に立てるんだから光栄に思ってほしいわ」
全員がアリサの言葉に頷く。
「ねぇエステル。それに秘書さんと工房長さんにも聞いてみたかったんだけど……あなた達って想い人を裏切って博士のモノになったんでしょう? どんなきもちなのかしら?」
レンの質問にエステル達がポカンとした表情になった。
「もう、レンってば。裏切ったなんて大げさよ。今でもヨシュアの事は大切よ? あいつがいなかったらいろんな人に暗示をかけるのが大変だったもんね」
「そうね。私もロイドがいなくなったら困るわ。私の代わりに支援要請をこなしてくれるから博士の秘書として生きられるのだから」
「リィンも人形兵器の戦闘テストは役に立つし体に残った力も博士にとっては最高の研究素材よ。博士のお役に立てるのだからみんな喜ぶに決まってるじゃない。まぁオスとしては見れないからセックスは絶対にしたくないわね♡」
「あたしもあたしも。博士に抱かれて女の悦びを知ったのにヨシュアに抱かれるなんて絶対に無理♡ オスとしての格が違いすぎるわ♡」
「仮にロイドに中出しされても子宮が精子を受け取り拒否するでしょうね。博士の優秀なオスの遺伝子ならいつでも大歓迎なのだけど♡」
うっとりした表情で語る彼女たちを見て、レンは完全に博士に心酔しているのだと理解した。
そして彼女たちと同じ立場ならば自分も同じ考えだろうと感じてしまう。
「あ、そうだわラピスちゃん。あなたの人形の身体なのだけど、今度もう少し調べさせてもらってもいいかしら。食べ物をエネルギーに変換する仕組みをもう少しまとめておきたいのよ」
「うん、いいよ。というか博士が全部調べたと思ってたけどまだだったんだ」
ラピスの人形の身体は博士のモノになった時に提供しているので博士が隅々まで調べたと思っていたのだ。
「ふふ、ラピスちゃんの調整に忙しくてまだ完全じゃないのよ♡」
「そうなんだ。まぁ当然よね♡ 私の身体は博士が作ったんだから、調整のし甲斐があるに決まってるわ♡ 人形の身体じゃ調整もできないし――あ、でも気持ちいいデータを流してもらった時は気持ちよかったなぁ」
ラピスが博士のモノになった日の事を思い出してうっとりした表情になる。
博士の女達が受けた調整のデータを人形の身体に強制的に書き込まれたあの感覚は人形の身体だからできたことだろう。
「そんなことがあったのね……生身でも経験できないかしら♡」
「あたしも経験してみたいかも♡」
「そういえばみんなはどうやって博士のモノになったの? 私みたいにデータを流し込まれたんじゃないんだよね?」
ラピスの質問に4人の顔が赤く染まる。
それぞれが博士の女になった日の事を思い出したのだ。
もじもじとし始めた彼女たちにラピスがお菓子を食べながら首をかしげるが、コホンと咳払いをして最初に口を開いたのはエステルだった。
「レンは知ってるけど、あたしはもともと博士の実験対象を効率よく集めるって理由で目をかけてもらったのよ。あたしとしては特別なことをした覚えはないんだけど、人を引き付ける力があったんですって」
「ええ、それは私でもわかります」
「エステルさんは太陽のような人ですから、自然と人が集まるんですよね」
アリサもエリィもエステルの人柄は知っている。
その人柄はもはや博士の研究対象を集めるためだけに利用されているのだが、誰もそれを嘆くことはなかった。
「それで博士のモノになったの?」
「実は一回断っちゃったのよねぇ。あのことはまだ博士のすごさが全然わからなかったから、レンが目の前で調整を受けているのを見て我を忘れちゃったのよ。博士を傷つけないように暗示をかけられてたから傷つけることはなかったんだけどね」
「あの時のエステルったらすごかったのよ。暗示を破ってまで博士を傷つけようとしたんだから。博士もびっくりしてたわ」
「も、もう! 嫌なことを思い出させないでよ! それで博士にその……初めて直接調整してもらったわ♡ 博士はまずあたしのお尻を調整してくれて……そこはヨシュアとのセックスでも全く触ってない場所だったからびっくりしたけどすごく気持ちよくて……♡」
「三十分間アナルを舐められてイカされまくっちゃったのよね♡」
レンがエステルをからかうように笑いながら当時の事を話すと、エステルも恥ずかしそうに頷いた。
「お尻の穴は気持ちいいから何回もイッちゃうのは仕方がないよね♡」
「そうね……私もお尻は未調整で博士にしてもらったけれど……♡」
「ロイドの女のままだったら一生あの喜びを知ることはできなかったんでしょうね……♡」
アリサとエリィは処女ではなかったがアナルの方は手つかずのままだった。
もちろん博士の女になってからはしっかりと調整してもらい、今では立派な性感帯になっている。
「アナルバージンを奪ってもらってオマンコにも入れてもらったわ♡ オスとしてヨシュアとの格の違いを思い知らされて、ヨシュアとの思い出よりも博士のくれる快感のほうがずっと大切だって気が付いたの♡」
「私は博士以外おちんちんを入れられたことはないけど、やっぱり他の男の人って博士よりもおちんちんが小さいの?」
「私はいろんな男たちとセックスしたけど、博士と比べたら他の男のペニスなんて存在する価値すらないわね」
「そうよね。どうして私はロイドとのセックスが気持ちいいなんて思っていたのかしら」
「アリサさん、リィン君は?」
アリサが察してくださいとでも言うように首を振った。
「帝国の英雄である灰色の騎士だとか、八葉一刀流の剣聖なんて言われてるくせに、そっちの剣は大したことがないのね」
レンの侮辱に4人が声を上げて笑いあう。
博士という最高のオスと比べればリィンなどオス失格のようなものなので、アリサはレンがひどいことを言っているとは思わない。
下品な侮辱で笑い合うなど以前の彼女達なら絶対にありえないのだが、すでに変わってしまっている彼女達ならば普通の事だ。
「アリサさんはどんな感じだったの?」
「私は光栄なことに、博士のモノになる前から実験の被験者に選んでもらったんです♡ 博士の精液入りのミルクティーを毎日飲んで、遺伝子を介して情報を刻むという実験でした♡」
それを聞いたエステル、エリィ、ラピスが羨ましそうな表情になる。
「私が気が付かないうちにシャロンに暗示をかけていたそうです。シャロンが口で博士の精液を出して、それを私に出すミルクティーにこっそり混ぜていたというものでした。それによって私は博士の事が頭から離れなくなって……毎日博士を思いながらオナニーしちゃったんです♡」
アリサが頬を赤く染めながら体をくねらせる。
レンは当時の事を知っているが、暗示をかけられて博士の精液を出すためにフェラをしていたシャロンの事を、そして自分が博士にされたことを思い出して子宮が疼き始めた。
「博士の事が頭から離れなくなったってことは実験は成功したんだよね?」
「ええ、そうよ。被験者に選んでもらえただけでもありがたいのに、黒の工房を引き継いで新しい工房長にならないかって声をかけていただいたの♡ 博士の偉大さも優秀さも私の身体の隅々にまで刻まれていたから、本当に信じられないくらい嬉しかったわ♡ 工房長だった父にも感謝したもの♡ それからじっくりと調整もしていただいて……んっ♡ 博士の役に立つ喜びもメスの悦びも全部博士が教えてくれたのよ♡」
うっとりした表情でアリサが当時の調整の事を思い出す。
「アリサさんなら博士も調整のやりがいがあったんでしょうね♡」
「元々随分と博士が好きそうな身体をしていたものねぇ♡ 遺伝子情報を元々刻まれていたのならば遺伝子レベルで相性がよくなってたんじゃないかしら♡」
「ふふ、そうだったら嬉しいわ♡ でも今だから言えるけど、初めの頃は不安もあったのよ。RF社では第四開発部の室長をしていたけれど、私は前任だった父と比べて技術者としての才能は全くないんだもの。もしも博士のお役に立てないようならすぐに辞任するつもりだったわ」
「そんな……アリサさんは工房長として立派に務めを果たしているわよ。それを言うなら私だって秘書の変わりができる優秀な人はいくらでもいるわ」
「ありがとうエリィさん。でもエリィさんは政界に進んでクロスベルを博士のための街にするという大切な役目もあるでしょう? 私はそう言うこともできないもの。博士に目をかけていただいたのにお役に立てないなんて生きている価値がないわ。性欲処理は悦んでもらえてると思っていたけれど、それだけならもっと優秀な人に工房長の座を譲ったほうがいいから。モルモットか使い捨ての生体パーツにでもなったほうが博士の役に立てるわ」
「その気持ちはわかるけれど……今のところあなた以上に工房長に適任な人なんていないと思うわよ」
「そうそう。自信を持ってアリサさん」
エステルもレンもアリサの働きは認めているので、黒の工房の工房長は彼女しかいないと思っているので、彼女の不安を拭うような言葉をかける。
しかし「博士のお役に立てないのなら生きている価値がない」という言葉は一切否定しなかった。
仮に自分も博士の役に立てなくなったらアリサと同じ道を選ぶだろう。
「でも博士はアリサの事をすっごく褒めてたよ」
「そ、そうなの?」
「うん。工房長としても性欲処理としても完璧だし、調整するのも楽しいから絶対に手放す気はないんだって。それとエリィの事も。秘書としてこれ以上ないくらいに優秀だし、急に勃起した時に性欲処理してくれるのはありがたいって。あとは二人ともトイレとしても優秀だって♡」
「も、もう……博士ったら♡」
二人が照れ隠しをするように紅茶を飲む。
「エリィさんも私と同じで実験の被験者にしてもらったのよね?」
「ええ。零の残滓とエリュシオンコードで過去のIFをより正確に再現できるようになったから、博士の秘書になったという過去をシミュレーションしてもらったのよ。眠っている時に夢という形で博士の秘書として過ごしていたわ。今と同じですごく幸せな日々だったわね♡ あまりにもリアルだったからどっちが現実なのかあいまいになって、ロイドに相談したりもしたけれど……」
「あはは、ロイド君なんかに博士の実験ができるわけないじゃない」
「ふふ、そうなんです。ロイドと支え合っていけば安心だなんて、あの時の私は随分とバカなことを考えていました。博士の存在がロイドよりも大きくなって、ロイドとのセックスも全然気持ちよくなくなって……そんな時にティオちゃんに実験だったことを教えてもらって博士に会わせていただきました」
「それで秘書にしてほしいって頼んだのかしら?」
「いいえ、博士にお礼を言いたかっただけよ。あの体験のおかげで私は博士の偉大さを知ることができたのだから♡」
なるほどね、とレンが呟く。
「博士の方から秘書にならないかって声をかけていただいたから喜んで引き受けさせてもらったわ♡」
「エリィさんみたいな人が秘書になってくれるならそりゃスカウトするわよね」
「エステルじゃ秘書は無理だよね」
「う……まぁ否定はできないけど。そういえばエリィさんはやっぱり将来的にはお爺さんを蹴落としてクロスベルのトップに立つの?」
「それも考えていますが、そうすると博士の秘書として動ける時間が減りそうなんです。なので適当な人に暗示をかけて代表に仕立て上げるのがベストではないかと思っています。もちろんその内お爺さまには代表を降りてもらいますけどね」
「それがいいかもしれないわね。クロスベルを作り替えるのは大切だけど、博士の秘書としての役目がおろそかになるなら本末転倒よ。私でもそうすると思うわ」
エリィの考えにレンが同意する。
他の者達も同じ考えだ。何もエリィがクロスベルのトップに立たなくてもクロスベルが博士にとって都合のいい街になればいいのだ。
「それじゃあレンは? それにレンって博士の女になってからすごく変わったよね?」
「ふふ、そうね。最近は一気にスタイルがよくなったのは自分でもわかるわ。これも博士の調整の賜物ね」
レンが自慢げな表情になるが、他の4人から見てもレンはクロスベル再事変の頃と比べて別人と言っていいまでに成長していた。
身長が伸びたのもそうだが、胸も一気に膨らみを増して女性的なラインを作り出している。
色気も一気に増しておりその成長ぶりを羨ましいと感じてしまうほどだ。
もっとも自分達では気が付いていないだけで、エステル、エリィ、アリサ、ラピスも色気が増しているのだが。
「私の場合はクロスベル再事変の時に私のもとに帰ってくるつもりはないかって博士に声をかけられたのよ。それで……結社にいた頃に博士に調整されてた時の事を思い出したの♡」
「結社にいた時から……レンはそんなに前から調整を受けてたんだ……いいなぁ♡」
ラピスのつぶやきに他の三人が内心同意した。
自分もできる事ならば幼いころから博士に調整してもらいたかったと思っているのだ。
「だから調整してほしいって思ったんだけど言い出せなくてね。博士が私の気持ちを読み取って調整に来てくれたのよ。そしてその場で調整されて……昔よりも博士に夢中になったわ♡ 身体が博士に使われる悦びを思い出したの♡」
「たしかレンちゃんは執行者になる前から調整を受けていたのよね?」
「ええ。知っての通り私は教団で犯されていたわけだけど、そのことを知った博士が私の身体に興味を持ってくれたのよ♡ ふふ、だから結社に引き取られてすぐに博士に調整をしてもらったの」
興奮して一人称が自分の名前に戻ったレンが当時の事を語り始めると、四人は食いつくような姿勢になる。
「楽園で相手をした情けないオスどもと偉大な博士の違いを徹底的に理解したわ♡ オスに屈服して奉仕するメスの本当の悦びと幸せをたっぷりと教え込まれて、レンは博士に使ってもらうためだけに生まれてきたんだってわかったの♡ ふふ、自分で言うのもなんだけど、博士は私に夢中だったと思うわ♡ 一日中ペニスを入れたまま過ごしたことだって数えきれないくらいあるんだから♡」
「そんなに……羨ましいわレンちゃん♡」
エリィも自分もそのくらい使ってほしいと感じていた。
「パテル=マテルに適合するように調整した時は毎日そんな感じだったわね。ただレンはまだ小さかったから体力がなくて、途中で気を失ったりすることも多かったの。だからパテル=マテルには急遽リバイバルシステムが実装されたのよ。おかげで何度でも調整してもらえるようになったわ♡」
「あれって何回もセックスするためのものだったわけ!?」
今まで知らなかった衝撃の事実にエステルが驚く。
そしてアリサはそれをどうにかして再現すれば自分たちも博士に何度でも調整してもらえると考えていた。
「ふふ、今度博士に相談してみるわ♡」
「あ、ありがとうレンさん」
アリサの考えを見抜いたレンが茶目っ気たっぷりの笑みを見せるが、すぐに大きなため息をついた。
「はぁ……それにしても昔の私は本当にバカだったわ。執行者なんてくだらないものにならないで、博士の助手にでもなるべきだったのよ」
「なんだかごめんねレン。あたしが結社から連れ出したせいで博士と引き離しちゃったって事よね。自分でもひどいことしたって自覚はあるわ」
「そのことについてはもういいわよ。でもエステルは残念だったわね。グロリアスに拉致された時に教授の誘いに応じて執行者候補生になっていたら、間違いなく博士の目に留まっていたはずよ」
「ああ、もう! それは言わないでよ! ホントにバカなことしたなぁあたし……ヨシュアが余計なことをしなかったらグロリアスから脱出するのも失敗してたかもしれないのに……」
「その時は私が真っ先に博士にエステルを紹介して一緒に調整してもらっていたでしょうね」
何かの因果が違っていれば、エステルはあと数年早く博士の調整を受けて彼の役に立てていたかもしれないのだ。
そう思うとその機会を奪ったヨシュアに怒りすら湧いてきてしまう。
「もっと早く博士に会いたかったっていうのは私も考えたことがあるわ。大体父様も黒の工房の工房長として博士と付き合いがあったんだから、実験とかの秘検体として私を博士に提供してくれればよかったのよ。そうしてくれればトールズなんかに入学しないで博士のモルモットでも性欲処理でも……でもそれだとⅦ組のみんなに暗示をかけられないし、RF社も今ほど手中に収められなかったわね……」
「うーん、アリサさんは博士に早く会えなかった分だけ今役に立ててるって考えればいいんじゃないかな?」
「そうだと良いんですけど……」
「ティオちゃんとも話したけど、初めて博士に会った際に誘いに応じるべきだったと強く後悔していたわ」
「もったいないことしたのね。私だったらすぐに博士のところに行っちゃうわ」
博士に誘われた際に一度断ったことなどラピスは完全に忘れてしまっている。
「でも不思議よね。クロスベル事変の時に特務支援課って一度負けて拘束されたんでしょ。博士だったらその時にエリィさんとティオちゃんを調整して自分のモノにしそうじゃない?」
「エステルの疑問はもっともだけど、あの時は零の至宝や神機、それに碧の大樹と博士の興味がありそうなものが盛りだくさんだったから流石に手を出す暇がなかったんでしょうね」
「それにキーアちゃんを徹底的に調整してたみたいよ。流石にそんなにお忙しい時に手間をかけさせるわけにはいかないわ。博士の邪魔をするなんてもっとも許されない事だもの」
「確かに博士の邪魔だけはしちゃダメね……ふふ、なんだか博士のモノになってからどうすれば博士のお役に立てるかって事ばかり考えているわ」
「あ、私もだよ。博士のモノになる前は美味しいものをいっぱい食べたいとかいろんなところを見てみたいって思ってたけど、そんなのどうでもよくなっちゃった」
レンの言葉にラピスが同意すると、他の三人も自分も同じだとでも言うように頷いた。
「あたしも遊撃士の依頼とかで人と知り合うと、まずは博士の実験の秘検体にできるかどうかって考えるようになっちゃった。使えそうな人がいたら暗示をかけて拉致してるわ」
「私は博士の秘書としてサポートするのは当然だけど、それ以上にスケジュール調整の事ばかり考えてるわね。夢中になると時間を忘れて研究に没頭される方だから、体調を崩さないようにしっかりと休んでいただかないと」
「私は……リィンの事を考えることが増えたかしら」
「あら? 元恋人が恋しいの?」
「ふふ、そんなわけないじゃない。あんなオスとしての魅力の欠片もない人に恋愛感情なんてもう残ってないわ。だけど剣士としての実力も人脈も知名度もとても役に立つから、利用価値が多すぎて困っちゃうのよね。このテストはリィンを使えばうまくいく、この人とつながりが欲しい時はリィンが役に立つって感じよ。だから表向きは恋人として付き合っているわ」
完全にリィンを道具として見ている言葉だが、この場にそれを責める者はいない。
むしろ4人とも博士の役立つ道具であるリィンを褒めてあげたいくらいだった。
「でも悩みの種でもあるのよね。リィンへの暗示を完全なものにしたいんだけど、ユウナやフィーに手伝って貰ってもあと一歩のところで上手くいかないのよ。博士は呪いが消えても残った彼の力に興味を持って、一度徹底的に調べてみたいって言ってるから、どうにかして操り人形にしたいんだけど……」
「あの人ってシスコンじゃなかったかしら? 妹さんをこちら側に引き入れて暗示をかければいいんじゃない?」
「ええ、博士にも相談してみるわ」
「もぐもぐ……ねぇ、このお菓子はもうないの?」
「え? ってああああっ! もうほとんどなくなってるじゃない! あたしももっと食べたかったのに……」
いつの間にかラピスがほとんどのお菓子を平らげてしまっていた。
食べるよりも話すことに夢中になっていたエステルはがっかりしてしまう。
「そろそろお開きかしら」
「みんなと話せて楽しかったわ。アリサさん、誘ってくれてありがとう」
「いえ、今度はもっとお菓子を用意しておきますね」
「もう、硬いってば。もっと気安い感じでいいわよ」
「エステルがフランク過ぎるのよ。工房長って役職を考えるとあなたの上司みたいなものなのよ」
「レンだってフランクじゃない!」
「ふふ、わかったわ。それじゃあもう敬語はなしにしましょう。改めてよろしくねエステルさん。あ、そうだったわ。工房長としてみんなに相談があるんだけど……私達はこれから先どうしたらもっと博士のお役に立てるかしら?」
アリサの質問に全員が前のめりになる。
この場にいる全員が毎日どうすれば博士の役に立てるのかということだけを考えているからだ。
「はいはい! 博士にいろんな女の人を紹介してもっと味方を増やす!」
「誰を調整して味方に引き込むかは博士が決める事でしょう? 提案くらいならするけれど……エステルは何か考えてるの?」
「あたしはクローゼと父さんにもっと深く暗示をかけて、リベールを博士の思い通りに動かせるようにするのが当面の目標ね。エリィさんは?」
「私の場合は政界入りをしてなるべく早くクロスベルを作り替えるわ。あとは……実は博士の体調が心配なのよね。さっきも言ったけれど研究に没頭しすぎる方でしょう? それに加えて私達の調整もしてくださるから流石に心配なのよ。セシルさんあたりに暗示をかけて、博士の専属看護師になってもらおうと思っているわ。ふふ、暗示をかける時にはロイドに役立ってもらおうかしら」
「あら、いいと思うわ。あの看護主任さんなら体調管理も性欲処理も完璧にこなしてくれそうね♡」
「そういう事なら……私がシャロンを博士に提供しようかしら」
顎に手を当てて考え込んでいたアリサが口を開いた。
「このお菓子を作ってくれたアリサのメイドさん?」
「そうよラピスちゃん。シャロンは正確にはラインフォルト家に仕えているのだけど、博士のためなら惜しくはないわ。それに博士もシャロンの事を大切に扱ってくれそうだから、安心して提供できるもの」
「シャロンはすでに暗示をかけてある状態だから、簡単にこちらに引き込めるでしょうね。もっともその話をすれば博士が直接やるかもしれないけれど」
シャロンと二人で博士の調整を受ける日が来るのかもしれないと思うと、アリサの子宮が期待で疼き始める。
「私とナーディアは裏社会? の人たちに暗示をかけて支配下に置いてるよ。ルーファスとスウィンも手伝ってくれてるの」
「そっちの方はあなたたちが適任でしょうね」
「ふふん、任せておきなさい!」
得意げに胸を張るラピスだったが、なぜかそれを見たアリサが沈んだ表情になったことにエステルが気が付く。
「アリサさん、どうしたの?」
「みんなすごいなって思っちゃって……私なんて悩みが多くて困ってたくらいなのに」
「アリサさん。工房長という立場なら様々な問題が見えるのは仕方ないわよ」
「そうね。悩みがあるなら相談してみなさい」
「エリィさん……レンさんも……」
頼もしい言葉を受けて申し訳なさそうにアリサが口を開く。
「実は博士の研究で生体パーツとモルモットの消費が激しいのよね。今は大丈夫だけどそのうちたりなくなるかもしれないと思うと……特に生体パーツの方はすでに不足気味なのよ」
「それなら遊撃士や準遊撃士で役に立ちそうな人を探してみるわ。それと軍人とか鍛えてそうだし役に立たないかな?」
「エステルにしてはいい考えね。パパを使えば生体パーツモルモットもいくらでも回せるわ」
「クロスベル警備隊にも役に立つ素材はいくらでもあるはずよ。時間がかかるかもしれないけれどソーニャ指令、ミレイユさん、ノエルさんあたりに暗示をかけてみるわね」
「そういうことなら裏社会の人が役に立つんじゃないの? こいつらはいなくなっても誰も気にしないから拷問しても殺してもいいんだよってナーディアが言ってたわ」
「確かにそんなことするくらいなら博士の役に立てたほうがいいわね。アリサさん、他には何かある?」
エリィの言葉にアリサがしばらく考え込む。
「強いて言えば……資金面かしら? 不足はしていないけど、これから先も黒の工房は拡大するだろうし、研究することも間違いなく沢山増えるわ。そう考えると今のうちから確保しておいた方がいいと思ったのよ。解決策としては帝国の四大名門からミラを横流ししてもらうつもりよ。アルバレア家のユーシスはミリアムに頼んで暗示をかけてもらったし、ログナー家のアンゼリカ先輩にもその内暗示をかけるわ。カイエン家のミュゼさんもユウナに頼んで暗示をかけている最中ね。ふふ、ミュゼさんなんて資金面以外でもいくらでも博士の役に立ってもらえそうね。だから大丈夫だと思うのだけど……」
「リベール王家からも秘密裏にミラを流させるわ。それと帝国の皇族に暗示をかけて払わせましょう」
「オリビエはもうあたしが暗示をかけてるから好きに使えるわよ?」
「皇族だけど皇位継承権を持っていないでしょう。今の博士はリベールとクロスベルを手中に収めていると言ってもいいから、エレボニアの方も同じようにした方がこれから先何かと便利なのよ」
「わ、私はまだクロスベルを手中に収めたわけじゃないけど……でもそうね。いずれ帝国のトップになる皇太女殿下は暗示をかけておいた方がいいかもしれないわね。あの美しさなら博士は気に入るでしょうし♡」
「ミラならルーファスがたくさん持ってるよ。資産は各地に分散してるんだって。だからそれも博士のために使っちゃおうよ」
それなら資金不足になる心配もなさそうだとアリサが胸を撫でる。
「帝国を手中に収めるなら皇族以外にも帝国政府や帝国軍にも手を伸ばしたほうがいいわね。確かミリアムさんが情報局に所属してるんだったかしら?」
「ええ、その通りよ。アルティナちゃんも黒の工房に引き入れたいって言ってたわね。あとはミリアムの経由で鉄道憲兵隊のクレア少佐に。マキアスに暗示をかけてその父親であるレーグニッツ知事にも暗示をかけることができれば、帝国の機密情報を更に引き出しやすくなるかしら」
「オリビエってほんと使えない……もう生体パーツにした方がいいんじゃない? シェラ姉だって博士の性欲処理をしている方がずっと幸せでしょ?」
「あの人は各地を飛び回ってるから表のつながりを作るのに役立ってるでしょ。生体パーツにするのなんていつでもできるんだから」
「シェラザードって人は本当にかわいそうだよね」
ラピスの言葉には全員が同意して最後にレンが口を開く。
「私は交換留学の制度を利用して共和国に行くつもりよ。共和国は色々と面白いことになりそうだし、博士の役に立つ人材や組織が溢れているはずだもの。ヴェルヌ社も気になるから見ておきたいわ。首都にある黒芒街なら行方不明者がでても問題ないし、生体パーツやモルモットの問題も完全に解決ね」
「レンならいずれ共和国も手中に収めるんじゃない?」
「バカねエステル。リベールみたいに王族がいるわけじゃないんだからそう簡単にはいかないわよ」
「ふふ、でもみんなやるべきことがはっきりしているようで何よりね」
「当然よ! 私達はみんな博士のために存在しているんだから!」
博士のモノになってから彼女たちの中心は博士になった。
博士の役に立つためならどんなことだってできるようになったのだ。
それがたとえ人を傷つける行為でも、仲間たちを裏切るような行為でも彼女たちはたやすくやってのける。
「改めて今日はみんなと話せてよかったわ。みんなの事を知れて……何よりみんなが私と同じなんだってことが分かったもの」
「あたしもよエリィさん。ここにいる全員が博士のために生きているんだって再確認できたわ。同じ志を持っている仲間がこんなにいるなんて嬉しくなっちゃうわね」
「私達みんな博士が一番大事だもんね。ナーディアだっておんなじ気持ちよ」
「他の人達だってそうよ。私達は博士のためならなんだってする。それが博士の女としての役割でしょう」
「すべては博士のために……これからもみんなで力を合わせて頑張りましょう」
アリサの一言がお茶会を締めくくる。
自分達には同じ気持ちを共有するたくさんの仲間たちがいる。
リベール組、特務支援課、Ⅶ組、新生帝国ピクニック隊。
それら以上の絆と幸福を感じながら、彼女たちは博士のためにこれからも生きていくのだった。