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 高校を卒業した雪ノ下雪乃は無事に大学生になっていた。

 幼い頃からかわいいと言われ続けて今でも人並外れてルックスが優れているので、彼女は大学でもあっという間に有名になってしまった。

 もっとも性格はお世辞にも人当たりが良いとは言えないのだが、雪乃は突っかかってくる相手ではない限り攻撃的な言動は取らないので、波風立てない人間関係を築くことはできている。

 様々なサークルにも誘われて同じ大学の男たちからは自分のモノにしたいと目を付けられている雪乃だが、彼女だけではなく恋人の方も少しずつ有名になっていた。

 しかし彼氏である比企谷八幡は、いい意味ではなく悪い意味で有名になっていたのだ。


(ったく……今日も割と見られてるな)


 大学を歩いているだけで八幡はちらほら視線を感じてしまう。

 雪乃と付き合っているということを自ら公言したわけではないのだが、そもそも二人が付き合ったことなど高校の時から周囲にすぐばれたので、大学でも同じようにバレてしまったのだ。

 それを確認するために直接尋ねられたことがあるが、八幡も雪乃も否定することなく正直に付き合っていると答えている。

 なので明らかに釣り合っていない恋人同士ということで、入学してから一ヵ月ほどしか経過していないのに八幡は悪い意味で有名になっていた。

 片方は良い意味で注目を集める女。片方は目の腐り具合がハリウッド級の男。どうしてこの二人が付き合っているのか謎に思う者や、八幡が雪乃の弱みを握っているなどと勘違いしている者達もいる。

 とはいえそんな噂など八幡にとっては特に気にするものではなく、雪乃も同じく気にしていないので大きな問題には発展していない。

 八幡がいるというのに雪乃を口説いてくる男も大勢いるのだが、雪乃は当然全てを断っていた。

 二人の関係は良好そのものであり、この後も落ちあって一緒に帰る予定だ。


「ん?」


 待ち合わせ場所が見えてくると、八幡は雪乃が立っているのを見つけた。そして彼女に対して熱心に何かを話しかけている男も目に映る。

 初めて見る男だがもはや見慣れた光景であり、雪乃をナンパしているのだろう。

 八幡はため息をつきながら二人の元に歩いていく。


「なぁ、いいだろ雪ノ下。絶対に楽しいから一緒のサークルに入ろうぜ」

「結構よ」


 どうやら男の方は雪乃をサークルに勧誘したがっているようだ。

 最もそれを口実に個人的にも親しくなるつもりなのだろう。


「テニスはできないとか? もしそうならオレが手取り足取り教えるからさぁ」

「悪い、雪ノ下。少し遅れた」


 男の言葉を無視している雪乃に八幡が声をかける。

 雪乃はどこかホッとしたような顔を八幡に向けるが、男の方は邪魔をするなとでも言いたげに八幡を睨みつけてきた。


「遅いわよ比企谷君。それじゃあ帰りましょう」

「おい、待てよ。オレとの話がまだ終わってないだろ? そんな奴の事なんてほっとけって」

「サークルの勧誘なら断ったでしょう。言葉が通じているのならばもう話は終わったのだと理解できるはずよ。それともその程度の知性もないのかしらね」

「だから絶対に楽しいから入れって。そんな冴えない彼氏と一緒にいるよりも絶対に楽しいぜ」


 冴えない彼氏というのは否定できないが、絶対に楽しいと何度言えば気が済むのだろうかと八幡は内心ため息をついた。


「こんな人目に付くところでナンパなんてしないほうが良いんじゃないのか?」

「ならサークルはもういいからこんな男とは別れてオレと付き合おうぜ。デートプランの一つも組めなさそうな男よりも楽しませてやるよ」


 男は八幡の事を話す価値もない男と考えているのか完全に無視していた。

 雪乃は大きなため息をつくと男を睨みつける。


「いい加減にして。これ以上付きまとうならこちらにも考えがあるわよ」

「付きまとうって今日初めて会って少し話しただけだろ。あ、そういえば名前言ってなかったっけ。オレは二宮。新入生同士よろしくな」

「興味がないわ。行きましょう比企谷君」


 さよならも言わずに雪乃が足早にその場を去る。二宮と名乗った男はようやく諦めたのかそれ以上しつこく迫ってくることはなかった。

 よほど鬱陶しかったのか雪乃がもう一度大きなため息をついたので、八幡は流石に心配になってくる。


「大丈夫か?」

「大丈夫とは言えないわね。はぁ……私ってかわいいから仕方がないとはいえ、こう毎日続くと嫌になってくるわ。あの男は特にしつこかったもの」


 出会ったばかりの時も雪乃は自分がかわいいということが原因で嫌な目にあってきたことを聞かせてもらったが、今回はあの時よりも参っているように見える。


「あいつはともかくサークルには入らないのか? 新歓とかで声をかけられまくってたけど全部断ってただろ」

「興味があるサークルがないのよ。そういえば比企谷君は誰にも声をかけて貰えなかったわね。羨ましいわ」


 正確には声をかけて貰った事は何度かあったのだが、すぐに声をかけてきた側が勧誘をやめたのだ。


「私達ってこの大学で最も不釣り合いなカップルと言われてるみたいよ」

「ふっ、否定はできないな」

「……そこは否定してほしいのだけど」


 雪乃が頬を染めて八幡にフォローを入れる。彼女からすれば自分達が釣り合っていないなど全く思っていないし、むしろ八幡以外の男と付き合うなど考えられないのだ。


「とはいえああいう男が多いと雪ノ下も困るだろ。何か考えたほうが良いかもな」

「比企谷君が周囲から見ても釣り合いが取れるような男性になればいいんじゃないかしら」


 無理なことを言われて比企谷が苦笑する。もっとも雪乃も本気で言っているわけではない事はわかっていた。

 お互いの気持ちはお互いが一番よくわかっているので、周囲に何を言われても二人が別れるということはあり得ないのだ。

 しかし雪乃に迷惑がかかるようなことは少ないほうが良い。あの二宮という男は何となくしつこそうなので、今後も雪乃の前に現れるかもしれない。

 二宮から雪乃を守るために自分に何かできることはないかを八幡はずっと考えるが何も思い浮かばない。


「まぁあの男の言う事も完全に間違いではないわね。比企谷君はいつも似たようなデートプランだもの」

「う……そっちはまだまだ勉強中なんだよ。楽しめてなかったら悪いな」

「別に楽しくないとは言っていないのだけど……」


 頬を染めてそう言う雪乃が可愛すぎて八幡がドキッとしてしまう。

 雪乃とのデートに向けてアルバイトもして資金を貯めている八幡は、次のデートは二宮のことなど忘れるくらい楽しんでほしいと考えていた。



 二宮が雪乃に声をかけてから一週間ほどが経過していた。

 明日は八幡と雪乃のデートであり、八幡はバイトが終わって家に帰るところだ。

 デートプランは頭に入っており何度も確認した。今回はかなり自信があるので雪乃にも楽しんで貰えるはずだと自分に言い聞かせる。

 最もどんなデートだろうと雪乃は自分と一緒ならば楽しんでくれるのではないかといううぬぼれも存在していた。


「今日は早く寝ておくか……」


 八幡が帰る支度を終えて裏口から店を出る。


「おーい、ひき――えーっと、お前なんて名前だっけ」


 八幡は誰かに声をかけられて振り返る。時刻はとっくに夜で裏口から出たので暗い路地裏であり話しかけられてびっくりしてしまったが、どこかで聞いたような声だったので声を上げずに済んだ。

 そこにはできれば二度と会いたくない男である二宮がいやらしい笑みを浮かべて立っていたのだ。


「えーっと……二宮だったか?」


 八幡は二宮の名前をしっかりと覚えているが今思い出したふりをする。

 彼はここ一週間何度も雪乃に話しかけており、嫌でも名前を憶えてしまったのだ。


「そうそう二宮。ま、別に覚えなくてもいいけどな。雪乃の事で話があるんだけどちょっと顔を貸せよ」

「雪ノ下の事で? それになんでここに……」

「ここでオレの知り合いがバイトしててお前がバイトしてるって教えてくれたんだよ。つーかそんなことはどうでもいいだろ」


 どうやら雪乃の事で話があるらしく八幡のバイト先にまで押しかけて来たらしい。

 最悪だと思う反面バイト中に店の中で話しかけられなくてよかったと安堵してしまう。

 雪乃の事で話があるとのことだが、どう言う内容なのかは八幡にも簡単に予想できた。


「こっちは別に話すことなんかねーよ」


 八幡が踵を返して帰ろうとするが、二宮に思い切り肩を掴まれる。

 片手で掴まれているだけなのに八幡は全く動くことが出来なくなった。


「おい、どこに行くんだよ。オレの話が終わってねーだろ」

「だから話すことなんて――」

「こっちはあるんだ。雪乃とさっさと別れろ。なんでお前みたいなゴミ男があいつと付き合ってるのか理解できねー。釣り合ってないって自分で気づいてないのか?」

「……雪ノ下に声をかけても無視されるから俺の方に来たって事か」

「無視なんかされてねえ!」


 二宮が声を荒げるが、何度雪乃に声をかけても無視されているということを八幡は知っている。


「これは親切で言ってるんだぜ? お前じゃ雪乃を満足させる事なんてできねーからオレに任せておけよ」


 雪乃と馴れ馴れしく下の名前で呼んでいるだけで八幡は腹が立ってしまう。

 自分が雪乃と結ばれる為にどれほど苦労と時間をかけてきたのか、目の前の男は何もわかっていない。

 どんなことを言われても八幡は雪乃と別れるつもりなどないのだ。


「断る。雪ノ下から別れ話を切り出されることはあるかもしれんが、俺から別れたいと言い出すのはあり得ん。ようやく手に入れた本物を手放せるかよ」

「……? なに言ってんだお前?」


 八幡が手に入れた本物のことなど二宮は理解できないだろうし、八幡も理解してもらえるとは思えない。理解してほしくもない。

 ただ雪乃と離れるつもりがないということをわかって貰えれば十分だった。


「もういいだろ。離せよ」

「あー……お前が大人しく別れるって言えば話は簡単だったんだけどなー。まぁ俺としては雪乃とお前を別れさせることが出来れば何でもいいか」

「だから俺達は――」


 絶対に別れないというつもりだった八幡の言葉が途切れる。

 八幡はなにが起こったか理解できなかったが、自分の身体が地面に横たわっている事に気付く。

 右の頬がズキズキすると思ったら、今度は腹部に鈍い痛みが走った。


「がっ!?」


 今度は声が漏れて八幡の身体がくの字になる。痛みで悶絶して腹を抑えながら、彼はようやく顔を殴られた後に腹部を蹴られたのだと理解した。


「な、なにを――がふっ!」


 二宮は無言で八幡を蹴り続ける。

 ここは路地裏で人目がない。痛みとパニックで大声を出して助けを呼ぶという発想も出てこない。

 暴力という非常にシンプルな力を振るってきた二宮に対して、八幡は何もできず一方的に暴行を受ける羽目になった。

 自分の事を冷たい目で見下ろしている二宮を目が合うが、恐怖のあまり漏らしてしまいそうだった。


「やめ――がっ! がはっ! ぐうううっ!」

「おい、あんまり調子に乗ってんじゃねーぞ。今からお前の身の程ってものを教えてやる。雪乃にも現実ってモノを教えてやれば簡単に心変わりして俺の女になるだろうよ」


 下卑た笑みを浮かべながら二宮は八幡を殴り続けると、八幡は簡単に気を失ってしまったのだった。



「うーん……どれにしようかしら」


 デート前日の夜に、雪ノ下雪乃は明日着ていく服を選んでいた。

 八幡とデートをする前日はいつも悩んでおり、結局決めることが出来ずに眠ってしまうので、決まるのは当日の朝になってからだ。

 もっと早く決めてデートに望みたいと思っているのだが、いつまでたっても時間がかかってしまう。


「……やっぱりこれね」


 しかし今回に限っては前日の内に決めることが出来た。

 雪乃が選んだのは前回のデートで八幡が選んでプレゼントしてくれた服だ。決めた際には気が向いたら着てあげてもいいと八幡に言ったのだが、本心では次のデートではこれを着ようと決めていたのだ。

 八幡に選んでもらった服を着て姿見で何度も確認すると自然と笑みがこぼれてしまう。


「ふぅ……今日はもう休もうかしら。比企谷君はそろそろバイトが終わって家についた頃かしらね」


 時計を見ると時刻は夜の9時半を回っていた。

 八幡のバイトは9時までなので、とっくに家についたころだろう。

 自分もシャワーを浴びてもう寝ようと思った瞬間にスマホが鳴り響く。

 誰だろうと思いながら相手を確認すると、八幡からLINEが届いていた。


「明日の事でなにかあったのかしら――え?」


 画面を見た雪乃は思わず思考が停止してしまう。

 LINEには写真が貼られておりそこには八幡が映っていた。

 問題はその写真であり、八幡は椅子に縛られた状態で映っていたのだ。

 さらには顔には痣があるだけではなく腫れており、何度も殴られたことも簡単に予想できる。

 あげく拘束されている八幡はズボンをはいておらず下半身が丸見えになっていた。


「比企谷君……? これはいったい……」


 八幡の身に危険が及んでいると確信した雪乃は警察に連絡することを考えたが、一緒に送られてきたメッセージを見てその手段を封じられる。

 メッセージの内容は八幡の身柄を拘束したこと、この事を誰にも言わないこと、30分以内にこの場所に来ること、そしてこれを破った場合は八幡のあらゆる個人情報やこの写真をネットに拡散することが書かれていた。

 さらには30分後には自分が何をしなくても八幡の個人情報が拡散するようにしてあるとも書いてある。


「とにかく比企谷君に連絡を……っ!」


 雪乃が八幡のスマホに電話をしても相手は出ない。となると八幡はほぼ確実に囚われている。

 警察に連絡しようにも30分以内に犯人を捕まえないと個人情報が拡散されてしまう。なにより時間がないので考える時間も存在しない。

 雪乃は「すぐに行くから比企谷君には何もしないで」とLINEを送ると、着替える暇も惜しみながら外に飛び出した。

 指定された場所はラブホテルであり20分ほどでつくことが出来た。受付は済ませてあると書いてあったので、中に入るとすぐエレベーターに乗って指定された部屋に向かう。

 そしてとうとう扉の前にたどり着いてノックをすると、中から男の声が聞こえてきた。


「鍵は開いてるから入ってこいよ」


 聞き覚えのある声だと思いながら雪乃が中に入る。

 ラブホテルには初めて入るが思っていたよりも広くて内装も清潔感があった。いつかは八幡と使うかもしれないと思っていたが、こんな形で訪れる事になるとは予想外だ。

 部屋にいたのは二人の男性。一人は椅子に拘束されている最愛の恋人である八幡。もう一人はソファに腰かけている二宮だった。


「雪ノ……下……」

「比企谷君っ!」

「おっと、落ち着けよ雪乃。まずは鍵を閉めてこっちにこい」


 雪乃は真っ先に八幡へ駆け寄ろうとしたが、二宮によってそれを中断される。

 仕方なく言われた通りに鍵を閉めると、雪乃は怒りをこらえて警戒しながら二人に近づいていく。


「へへ、オレに会いに来てくれて嬉しいぜ雪乃」

「気安く名前を呼ばないで。それと30分以内に来たわよ。誰にも言っていないのだから――」

「わかったわかった。こいつの個人情報とか写真を拡散するのはやめてやる。予約投稿してたからそれを解除するだけで済むぜ」


 そう言いながら二宮がスマホを操作する。

 傷だらけの八幡は心配だが、雪乃は彼の写真が拡散されないで済んだことはひとまず安心していた。

 そしてそんな雪乃の事を申し訳なさそうに八幡が見ている事にも気付く。


「す、すまん雪ノ下……」

「比企谷君、すぐに助けるわ。二宮君……これは立派な犯罪だけど、こんなことをしてただで済むと思っているの? 人が拉致されているなんてホテルの従業員だって無視できないわよ」

「このラブホはオレの親父が経営してる会社の系列なんだよ。安っぽいラブホじゃなくて高級感あるラブホってのがコンセプトだぜ。お前らもこんなところ使った事ねーだろ。っと、何が言いたいのかというと、ここの従業員は全員オレに逆らえないんだよ。そしてお前らが誰にも言わなければ犯罪にならない。こっちにはお前らを黙らせるモノがいくらでもあるぜ」


 下半身丸出し状態の八幡が映っている写真を撮られてしまった時点で、それを拡散されるリスクを考慮すると雪乃達は二宮に逆らえないのだ。


「いったい何が目的なのかしら?」

「何度も言ってるけどこんなゴミみたいな男じゃなくてオレと付き合えよ。雪乃にはオレの方がふさわしいだろう?」

「呆れた……それは嫌だと何度も断っている筈よ」

「こんな腐った魚みたいな目をした男のどこがいいんだ?」

「あなたには関係ないわ」


 八幡と別れろと言われても雪乃が八幡と別れるはずがない。

 お互いがお互いを想う気持ちは強いので引き裂くことなどできないのだが、当然二宮は納得しなかった。


「……はっ。だから言ったろうが。雪ノ下も俺と同じ――」

「うるせーよゴミ」

「がっ!?」


 八幡の頭に二宮の拳が振り下ろされる。それを見た瞬間に雪乃の理性が限界を迎えた。


「比企谷君っ!!」


 二宮を止めるために二人に駆け寄るが、間に合わずに八幡の腹部にも拳が叩き込まれた。

 痛みのあまり情けない声を漏らしながら涙目になる八幡を二宮がもう一発殴る前に、今度こそ雪乃が間に合って彼の腕を掴む。


「やめなさい! 比企谷君から離れて!」

「ゆ、雪ノ下! いいから逃げ――!」


 高校生の頃に柔道部員に試合で勝ったことがある雪乃なら、冷静であれば二宮を無力化することもできたかもしれない。

 しかし八幡を守ることで頭がいっぱいになり二宮を止めることしか考えられなかったため、二宮の腕にしがみつくだけになってしまった。

 そして単純な力では男に勝てるわけがなく、二宮は雪乃を簡単に振り払うと彼女の両手を掴む。


「だんだん面倒になってきたぜ。こうなったら手っ取り早くオレの良さを分かってもらうしかないか」

「ふざけたことを言わないで――きゃ!?」


 雪乃が二宮に突き飛ばされて倒れてしまうが、倒れた先はベッドだったので彼女に痛みはなかった。

 しかし起き上がる前に二宮が雪乃に覆いかぶさってきたので動けなくされてしまう。


「雪ノ下!? おい、雪ノ下から離れろ!」


 自分が考えうる限り最悪の状況に陥ってしまった八幡が暴れながら叫ぶが、彼は椅子に拘束されたまま動けない。

 二宮も八幡の事よりも雪乃を優先するのは当然であり、八幡の声を無視して雪乃の服に手をかけた。


「離しなさい! なにをするつもりなの!?」

「この状況でそれが理解できないほどガキじゃないだろ? 大人しくしてれば優しくしてやるけど、抵抗するなら容赦しねーぞ」


 ギラギラとオスの情欲が燃えている目で見降ろされて雪乃は思わずビクッと身体を震わせた。

 しかし八幡を助けなければいけない事に加えて、八幡以外に身体を許すつもりなど毛頭なく、二宮に触られただけで嫌悪感に襲われる。


「おい、動くなよ。服を脱がせにくいだろうが。なんか大学で着てる服と雰囲気が違うけど、これってもしかしてデートする日の勝負服? その割にはいつもの雪乃よりもセンスが悪い気がするんだよなー。お前の魅力が全然出てないぜ」

「っ! 余計なお世話よ! この服は比企谷君に選んでもらった大切な――」

「あ?」


 二宮の目が冷たい物に変わり、雪乃の服を掴んでいる手に力がこもった。


「彼氏が選んだ服を着てるのかよ、どうりでセンスが悪いわけだ。こんな服はお前に相応しくないな」

「んっ! ちょっと、何をするの! やめて! 離して――いやあああああああっ!」


 雪乃の悲鳴と布の引き裂かれる音が部屋に響いた。

 八幡にプレゼントしてもらった服は二宮の手によって胸元から引き裂かれてしまい、ブラジャーに包まれた雪乃の乳房が露わになる。


「雪ノ下! おいやめろ! やめろっつってんだろ!」

「腐った目をしてるとセンスも悪くなるんだな。こんな服オレが処分してやるから感謝しろよ元カレ君」

「やめて! もう破かないで! いやあっ! やめなさいっ!」


 雪乃と八幡の声を無視して二宮は服をズタズタに引き裂いていく。

 八幡は恋人が犯されてしまうという恐怖を感じると共に、プレゼントした服が引き裂かれていくたびに想い出まで壊されていくような感覚だった。

 それは雪乃も同じであり、肉体を汚される前に精神を汚されてしまった事で悔し涙が目に浮かんでいる。


「ふぅ……これでいいか。下着は勘弁してやるよ。それにしても思っていた以上にいい身体だ」


 あっという間に雪乃は服を全て引き裂かれてしまい、ブラジャーとショーツだけにされてしまった。

 薄いライムグリーンの可愛らしい下着と白い肌が露わになり、二宮は思わず舌舐めずりをしてしまう。


「顔も肌も最高だけど胸がないのはちょっと残念だなー。元カレ君に揉んでもらえなかったのか? っていつまで暴れてるんだよ?」

「離れなさい! こんなことは犯罪よ!」

「だからバレないしお前らも何も言えないから犯罪にならないんだって。脅迫の材料だってまだまだ残ってるぜ? そこにあるカメラでこれから一部始終を撮影するとか、さっき公開をやめた元カレ君の個人情報は朝になったらまた公開されるように設定してあるって言ったらどうする?」


 二宮が指をさした先にはわかりやすいカメラが設置されていた。

 八幡の個人情報も朝になれば本当に公開されてしまうかもしれない。

 そのリスクを理解してしまった雪乃は僅かに抵抗の意思が弱まってしまった。


「雪ノ下! 俺はどうなってもいいから逃げろ!」


 八幡は自分がどうなっても良いので雪乃だけは何とかここから逃がそうと叫ぶ。

 しかしそんな声を嘲笑うように二宮は下卑た笑みを浮かべていた。


「元カレ君カッコいいねー。でも下半身丸出しで椅子に縛られてる状態で言われても滑稽なだけだぜ。ほーら、助けたいならここまで来てみろよ」

「ぐ……があああああああっ!!」


 煽られた八幡が我を忘れて暴れるが、そんなことをしても拘束を外すことなどできず無意味な騒音が響くだけだった。

 二宮は八幡の無様な姿を楽しんだ後に雪乃へと視線を戻す。

 両腕を掴んでベッドに押し付けて動けなくしているのだが、雪乃は相変わらず鋭い目つきで暴れていた。


「いいねぇ。少しくらい抵抗があったほうがオレも楽しめるぜ」

「く……この下種……っ!」

「そんなにひどいことを言うなよ。まぁセックスが終われば雪乃もオレの良さに気付いてくれるだろうな」

「誰が――んっ! や、やめなさい! どこを触って――いやああっ! いやあああああああっ!」


 二宮は雪乃のブラジャーをたくし上げると、微かに揺れて小さな乳房が姿を現した。

 僅かな膨らみと綺麗なピンクの乳首を見た二宮はごくりと唾を飲み込むと、もう我慢できないといった様子で雪乃の乳首にしゃぶりつく。


「あんっ! ああああっ! 気持ち悪い――んっ! な、舐めないで! いやっ! 離れてっ!」

「なんだか反応が初々しいな。元カレとはあまりセックスしてなかったのかよ?」

「やめろおおおっ! 雪ノ下から離れろ! 離れろって言ってんだろうがああああっ!」


 八幡が暴れながら叫ぶがそんな行為は何の意味もなさなかった。

 最愛の恋人が別の男に汚されている光景を八幡は見せつけられることになる。

 白い肌に二宮の舌が這いずり回り、雪乃の乳房はあっという間に唾液まみれになってしまった。

 乳輪を何度も舐めまわした後に乳首を唇で甘噛みしていき、もう片方の乳首は指でクニクニと摘まんでいく。


「あああっ! き、汚いのよっ! んっ! この変態――あああっ! 胸を触らないで! 舐めるのもやめなさい! こ、この性犯罪者っ!」

「恋人になるんだから何も問題ないだろ? つーか雪乃の胸は小さいけど最高だな。甘い匂いもするしいつまでも舐めていられるぜ。元カレ君、最高の女を提供してくれてサンキューな。これからはお前に変わってオレが雪乃の身体を隅々まで楽しんでやるよ」

「やめろおおおっ! やめやがれえええええっ!」


 二宮は右手で雪乃の乳房を揉みしだきながら、左手は彼女の股間に伸ばしていく。

 太ももをすりすりと撫でで感触を楽しんだ後に、ショーツの上から秘部を指でなぞり始めた。


「いやああっ! そこは――んっ! い、痛いっ! 離れてっ! 触らないで! そこだけは――ああああっ!」

「まだ濡れてないなぁ。最悪ローションでも使えばいいか。今はもう少し雪乃の身体を味わってやるぜ」


 二宮は雪乃の体を起こすとベッドに座らせて、自分は背後から雪乃を抱きしめて胸を揉みしだく。

 わざわざ八幡によく見えるように彼の正面に座らせており、八幡からは犯される雪乃が嫌でもよく見えてしまった。


「元カレ君にもおすそ分けしてやるよ」

「ふざけんな! 雪ノ下から離れろっ!」

「それしか言えねえのかよ。思う存分さえずってろよ負け犬君」

「がああああっ! うがあああああっ!」

「んっ! あああああっ! ひ、比企谷君! 落ち着いて――んっ! 私は大丈夫よっ! こんなの犬にかまれたのと同じ――んひいいいいいいっ!」


 二宮は雪乃の乳房を揉みしだきながら耳を甘噛みしていく。

 耳だけではなく頬やうなじにも舌を這わせて、彼女の顔も唾液でどんどん汚されていった。


「あああっ! どこを舐めているのよ! この変態――んっ! 離して! やめ――いやあああっ!」

「犬にかまれたどころか一生忘れられない体験にしてやるぜ。それに抵抗しなくなったってことは雪乃もオレに抱かれたいんだろ? あんな負け犬より気持ちよくしてやるから安心しろ」

「ちが――んっ! あなたが脅迫してくるから――あああっ! そ、それに比企谷君を守るためよっ!」

「あんな男に守る価値なんてあるわけないじゃん。ほら見ろよあの格好。オレにボコられて縛られたあげく、自分の女が他の男に抱かれてるのに助ける事もできない負け犬だぜ? あ、もう元カレ君だった」

「私の恋人は比企谷君だけ――んむっ! ちゅっ! れりゅううう! んううううううううっ!」


 雪乃がとうとう唇も奪われてしまう。

 二宮は強弱をつけて何度も唇を押し付けて、雪乃の瑞々しい唇を何度も奪っていく。

 右手で乳房を揉みしだいて左手は秘部をショーツの上から弄り倒し、雪乃の身体を徹底的にイジメ抜いていく。


「ゆ……雪ノ下……」


 雪乃が唇を奪われてしまうと、八幡はショックのあまり叫ぶのをやめてしまった。

 彼女は自分のせいで抵抗することもできずに犯されている。きっと自分がいなければ雪乃はこんなことにはならなかっただろう。

 恋人を守ることもできず、負け犬と言われても何も言い返すことができない。

 敗北感と無力感に襲われている八幡に追い打ちをかけるように、二宮は雪乃の唇に舌を差し込んでいく。


「んちゅっ! じゅるるううう! い、いやっ! なにをするのよ! 舌を入れてこないで!」

「ディープキスも知らないのか? 愛情たっぷり込めて舌を絡め合わせるんだよ」

「貴方に対して愛情なんてあるわけがないでしょう! 次同じことをしたら舌を噛み切って――」

「はぁ……ここはオレの知り合いがいるラブホだって言っただろ? そこのカメラ以外でも撮影されてるし、オレに何かあればすぐに誰かが来るぜ? そこの負け犬が今以上に大ケガすることになってもいいのか?」


 雪乃の表情が凍り付く。

 八幡はすでにボロボロだというのにさらに殴られるなど許容できるはずがない。

 個人情報を晒される以外にも危険はいくらでもあるのだ。


「ひ、卑怯者! こんなことをして恥ずかしくないの!」

「雪乃がオレの気持ちに応えてくれないからこんな手段を取ることになったんだぜ。いいか? お前からキスをして舌を絡めてこい。あの負け犬にはした事がないような愛情たっぷりのエロいキスを頼むぜ」


 二宮とキスをするなどごめんだが、従わなければ八幡にまたもや危険が及ぶ。

 雪乃は覚悟を決めたように顔を上げたあとに、申し訳なさそうな顔を八幡に向けた。


「比企谷君……見ないで……」

「ゆ、雪ノ下……」


 雪乃は八幡も見たことのない絶望に満ちた表情になりながら、二宮の要求通り彼に顔を近づけていく。


「ちゅっ……れりゅううう……」


 そして唇を重ねた後に舌を絡めるディープキスへと移行していく。

 雪乃から二宮にキスをしたという事実に、八幡は心が思い切り抉られてしまった。


「や、やめろ……やめてくれ……」


 絞り出すような声しか出なくなった八幡を無視して二人はキスを続ける。

 雪乃は汚い物でも舐めるような顔になっているが、それとは裏腹に二宮はご満悦だった。

 たどたどしく動く雪乃の舌に自分の舌を絡めて、彼女の口内を隅々まで舐めまして行く。

 両手で乳房を揉んだ後に指で二つの乳首を同時に摘まみ、痛みに悶える雪乃の反応を楽しみながら唇を堪能していく。

 わざと八幡に見せつけるようにキスをしていると、彼はいつの間にか項垂れて何も言わなくなってしまった。


「ちゅるううう! れるううううう! ちゅっ! じゅるるううううう! も、もういいでしょう――ちゅうう! れりゅううううう!」

「あー、雪乃とのキス最高だぜ。元カレ君ディープキスしたことないのか?」

「うるせぇ……」


 八幡は見ていられなくなりがっくりと項垂れてしまっていたが、目を背けることはできても耳をふさぐことはできず、二人が舌を絡める水音が響いてしまう。

 雪乃とキスをしたことくらいはあるが、あんなにも淫らなキスはした事がない。自分もした事のない行為を先にやられたことで八幡は殴られた時よりもショックを受けていた。

 やがてねっとりとした唾液の糸を作りながら二人の唇が離れる。


「オレとのキスはどうだった?」

「はぁ……はぁ……最悪に決まっているでしょう。今すぐにでも口をゆすぎたい気分よ」


 身体を汚されるだけではなく精神的にも汚されてしまい、雪乃のメンタルもどんどんすり減っていく。


「負け犬よりキスは上手かっただろ?」

「気持ち悪いだけだったわ。続きをしないならいい加減に離してくれないかしら?」

「続きはするけどそんなにオレのチンポが欲しいのか?」

「まさか。どうせ抵抗しても意味がないのでしょう。だったら早く終わらせたいだけよ」


 抵抗が許されないということを雪乃は嫌でも理解してしまったので、それならば早く終わらせる事に決めたのだ。

 なにをされても自分の心が八幡から離れるなどありえない。しかし今は状況が悪すぎるので、とにかく相手を刺激しないようにしてこの場を凌ぐのが最善だ。

 今後の対策は色々と考える必要はあるが、今は八幡の安全が最優先なのだ。


(そうよ。比企谷君以外とセックスをするなんて嫌だけど……比企谷君のためなら耐えられるわ。この男の好きにはさせない……!)


 抵抗が弱くなったとはいえ雪乃の目には強い意志が宿っている。しかしその目は二宮にとっては面白くないものだった。

 雪乃の反応は二宮にとっては全く面白くない。これならば泣き叫んで抵抗している雪乃を無理矢理犯す方がよほど楽しい。

 だからこそ彼は次の段階に進むことにした。


「なら早く終わらせるためにもチンポをぶち込んでやるよ。あ、当然コンドームなんて使わないからな」

「え――きゃっ!?」


 二宮が雪乃をベッドに押し倒す。

 雪乃は思わず身構えてしまうが、身の危険よりも二宮の言葉が頭を支配し、項垂れていた八幡も慌てて顔を上げる。


「ま、待て! ゴムを使わないってお前正気かよ!?」

「恋人同士のセックスにゴムなんて野暮だろ?」

「ふ、ふざけないで! そんなことをしたら妊娠――ひっ!?」


 二宮が肉棒を露出させると、雪乃はその大きさに恐怖して声を漏らしてしまった。

 ガチガチに勃起している肉棒は八幡の肉棒よりはるかに大きい。どんなに少なく見積もっても二回り以上はサイズ差がある。

 黒々として血管も浮き出ており、亀頭も尖っているだけではなくカリも非常に深い。

 八幡とはオスとしてのレベルが違い過ぎる肉棒を見せつけられて雪乃は思考が硬直して、八幡はいまだかつてないほどの敗北感に襲われた。

 二宮がショーツをずらして雪乃に挿入しようとした瞬間に、ようやく雪乃は我に返って暴れ始める。


「ま、待ちなさい! せめてコンドームを使って!」

「あんなもんをつけたら気持ちよくねーからオレは持ち歩いてねーんだよ。雪乃が用意してくれたのか?」

「そ、そんなわけないでしょう! だからと言って避妊しないでセックスなんてできるわけがないわ!」

「はあ……我が儘だな。いや、待てよ……」


 面白いことを考え付いた二宮が下卑た笑みを浮かべる。


「負け犬君、コンドーム持ってるか?」

「は? な、なに言って――」

「いいから答えろよ。負け犬君のゴムが使えるなら使ってやってもいいぜ」


 その言葉に八幡の思考が硬直する。

 八幡は雪乃と使うためのコンドームを持ち歩いているので鞄に入っている。しかしあるといってしまえばそれを使って雪乃とセックスをすることを許容してしまうという事だ。

 しかしないといえば雪乃は生ハメされてしまうことになる。どちらにせよ雪乃が犯されるしかないという二択なので答えられるはずがなかった。


「ひ、比企谷君……」


 だが犯されそうになっている雪乃と目が合った瞬間に二人の心が完全に通じ合った。

 雪乃はもはや犯される事については諦めているが、避妊無しですることだけは何としてでも避けたいと考えているのだ。

 それ故に彼女が今の八幡に望んでいる答えは一つだけであり、八幡もそれを理解してしまう。


(雪ノ下……すまん……)

(いいのよ比企谷君……すぐに終わらせるから、もう少しだけ辛抱してね)


 こんな状況なのに言葉を交わさなくても会話ができるほどに通じ合っている事を八幡は嬉しく思いながら顔を上げる。


「オレの鞄にゴムが入ってるから使えよ……」

「はぁ? 使ってくださいだろ? オレは別に使わなくてもいいんだぜ?」

「くっ……」

「ほら、早くオレにお願いしろよ。コンドームを使って雪乃を犯してくださいってさ」


 屈辱的すぎる物言いに八幡の怒りが限界を突破する。

 殴りかかってやりたくて暴れるが拘束を解くことなど当然できない。そして自分が何を言うべきなのか、雪乃がどう答えてほしいのかもとっくにわかっている。

 八幡は普段の腐った目ではなく怒りに燃える血走った目を二宮に向けて、息を荒げながらなんとか声を絞り出していく。


「……お、お願いします……! コンドームを使って……雪ノ下を……お……犯して……ください……!」

「うわ、マジで言いやがった。自分の好きな女を犯してほしいだなんて普通いうかね? 負け犬の神経は理解できんわ。まぁオレは優しいから使ってやるよ。おい、雪乃。動くなよ。動いたらあの負け犬をぶん殴るからな」


 二宮は雪乃から離れて八幡の足元に置いてある鞄を漁り始めた。

 雪乃は言われた通り動かない。今二宮に襲い掛かってもそれより早く八幡を傷つけられてしまうからだ。


「お、あったあった。へへ……やっぱりそうか」


 二宮は鞄の中にあったコンドームの箱を見つけると、それを持って雪乃の元に戻る。


「おい雪乃、お前がつけろよ」 

「……わかったわ」


 雪乃はもう逆らうことなく大人しく従っていた。ここで機嫌を損ねてやはりコンドームを使わないといわれるのを恐れているのだ。

 袋を開封して触りたくもない肉棒に触れると、ゆっくりとゴムを被せていく……はずだった。


「……え? ど、どうして……は、入らない?」


 コンドームをつけようとした雪乃の手が止まる。

 つけること自体は八幡にした事があるので手順は知っている。慣れないと難しいという事も知っており、雪乃も当初は失敗したのだが慣れるまでやって出来るようになったのだ。

 しかしこのコンドームは二宮の肉棒に付けることが出来なかった。

 雪乃と八幡が焦り始める中で、二宮だけはいやらしい笑みを浮かべている。


「ど、どうしたんだ雪ノ下?」

「入らないのよ……」

「あー、やっぱりかー。負け犬の租チンを見た時から何となくそうじゃないかと思ってたんだよなー」

「どういうことだ!」

「このコンドームってSSサイズだろ? オレのチンポには小さすぎて入らないんだよ」


 その言葉に八幡は絶望する。

 下半身丸出しの自分は勃起していないが、仮に勃起していても二宮の肉棒と比べると半分以下のサイズだ。

 そんな自分が使うコンドームを二宮が使えるはずがないのだ。

 雪乃はそんな現実を認めたくはないのかどうにかコンドームをつけようとしているのだが、何をどうやってもコンドームを肉棒に装着できなかった。


「そ、そんな……」

「いやー、残念だったな負け犬君。もう少しチンポがデカかったら話は変わってたかもしれないのになー。恨むなら租チンの自分を恨むんだな。というわけで雪乃とは生ハメ決定でーす」

「ふざけんな!」

「ははっ、怒っても無駄だぜ。悔しかったら自分で止めてみろよ負け犬君。さーて、雑音がうるさそうだけどオレ達も楽しもうぜ雪乃」

「ひ――いやああっ! いやああああああっ!」


 雪乃は今度こそ我を忘れて暴れ始めるが、力で二宮に勝てない事はすでに証明されていた。

 犯されるだけならばまだ我慢できるのだが、妊娠というリスクが明確になり恐怖で顔が真っ青になっている。

 八幡以外の男に妊娠させられるなど考えたくもないし、そもそも八幡相手でも妊娠は早すぎる。

 腕を振り回して暴れた雪乃は本能的に八幡に向けて駆け寄ろうとするが、抵抗虚しく取り押さえられてしまった。

 背後からのしかかられた雪乃は右腕を八幡に伸ばすが届くことはなく、八幡もいくら暴れても雪乃には触れられない。


「やめてっ! 避妊しないなんて比企谷君ともまだ――あああっ! 離れてっ!」

「生ハメしたことないのか? それはラッキーだぜ」

「雪ノ下っ! やめろ! 雪ノ下から離れろっ! 離れやがれええええっ!」

「うーん、抵抗する女を犯すって燃えるわー」


 二宮は雪乃に覆いかぶさったまま彼女を抱きしめて、寝バックで挿入する体勢になった。

 男一人分の体重でのしかかられているので雪乃は動くことが出来ずに、手足をバタバタさせてあがくも全てが無意味。

 ショーツをずらして二宮が亀頭を秘部に当てると、雪乃に身体がビクッと震える。


「それじゃあ雪乃のマンコをいただきまーす」

「ふざけるな! 入れるんじゃねえ! 雪ノ下っ! ゆき――」

「いやああああああっ!」


 メリメリッと鈍い音がして雪乃に膣内に肉棒が挿入されていく。

 コンドームを付けていない肉棒を受け入れるのは初めてだが、八幡の肉棒とは何もかもが違い過ぎる。

 熱さや固さはこちらが圧倒的に上であり、大きさも別格の肉棒が入ってきたことで、雪乃は処女喪失とは比べ物にならないほどの激痛に襲われてしまった。


「あ――かはっ! い、いたい――んぎいいいいいっ! ぬ、抜いて! 抜きなさい――んひいいいっ!」

「へへ、少しずつ入っていくぜ。それにしても濡れてない事を考慮しても随分と硬い穴だな。負け犬の租チンじゃ雪乃を満足させるのは無理って事か」

「てめええええええっ! 雪ノ下から離れろっ! 離れろおおおおっ!」

「んあああっ! ひ、比企谷君! ひきが――んぎいいいっ! おっ! んううううううううっ!」


 肉棒がとうとう根元まで挿入されると、雪乃の全身から力が抜けてしまう。

 八幡に伸ばしていた右腕もポスっと音を立ててベッドに落ちる。


「あー……処女みたいにキツイマンコだぜ。この穴をオレ好みに開発できるとか最高……うっ! このまま動くぜ雪乃」

「んひっ! い、いたい――あああっ! 動かないで! 痛いのよっ! あああっ! んあああああああああっ!」


 雪乃の言葉を無視して二宮は腰を動かしていく。

 彼女の身体を抱きしめて、うなじをペロペロと舐めながら激しく腰を打ち付けると、肉のぶつかり合う乾いた音が室内に響いた。


「雪乃の身体……うっ! ようやく手に入ったぜ。胸がないのは残念って言ったけど、全身いい匂いがするし柔らかいし……マジで最高。それ以外に言葉が出てこねーよ」


 雪乃を抱きしめて柔らかさと温かさを全身で堪能し、うなじで大きく息を吸えば甘い香りも二宮を興奮させる。

 極太の巨根で膣内を蹂躙して屈服させていく感覚もオスの優越感を掻き立てており、夢中になって腰を動かしていく。

 腰を引くたびにカリ首が膣内をガリガリと削っていくので、雪乃は一突きごとに膣内が八幡の形を忘れていくような感覚に襲われた。


「んぎいいっ! ひぎいいいいいっ! も、もうやめて――あああっ! んああああっ!」

「雪乃の声もチンポに響くぜ。ほんと胸が小さい以外は最高の女だな。おーい、負け犬君。雪乃がオレとのセックスに夢中になっていくのをしっかりと見てろよ」

「バカなことを言ってないでさっさと雪ノ下から離れやがれ!」

「本気だっつーの。お前みたいな負け犬とのセックスよりもオレとのセックスの方が気持ちいいに決まってるじゃん。案の定身体の相性は悪くないみたいだし、このまま中出しキメてやれば雪乃はオレの事を好きになるぜ」

「あんっ! んひいいいっ! 中になんて――んちゅっ! れりゅううう! やめて! 出さないで! 抜きなさいっ! ちゅっ! れりゅうううう!」


 雪乃の唇を奪いながら二宮は腰を打ち付けていく。雪乃が足をバタバタさせて腕を八幡に伸ばしても二宮の勢いは全く緩まず、雪乃の身体を壊すつもりで犯し続ける。

 ベッドのスプリングも利用した激しいピストンで一突きごとに雪乃の身体には痛みと衝撃が走っていた。

 男の身体とベッドでサンドイッチされて身体がつぶされてしまいそうな恐怖を感じるが、やはりそれ以上に恐ろしいのは妊娠のリスクだった。

 先ほどから亀頭が子宮口に何度も当たっており、先走りがそこに塗り付けられているのを感じるのだ。


「奥の方はだいぶ硬いけど、もしかして租チンの負け犬はここまで届かないのか? 女はここが感じるのによー」

「んっ! ああああっ! そんなところ――ひあああっ! 一番奥なんて痛いだけよっ! あなたの拙いテクニックで女性が気持ちよくなるはずがないでしょう! あんっ! んぎいいいいっ! ま、待って! はげし――んあああああああああっ!」


 二宮は雪乃から身体を離してベッドに両手をつくと、肉棒が抜けるギリギリまで腰を引いてから思い切り打ち付けた。

 密着感がなくなったかわりに勢いよく腰を打ち付けることが出来るので、そのまま何度もピストンを繰り返して子宮口をイジメ抜いていく。

 雪乃は両手でシーツをギュッと握りしめて、足をピンっと伸ばして痛みに耐え続けるのだが、だんだんと痛みが薄れて甘い痺れに変わっていくのを感じていた。

 子宮口から今まで感じたことのない快感が広がってきている。二宮とのセックスで快感を覚えるなど認めたくはないのに、心はともかく身体は嘘をつかせてくれない。

 だからと言って嬉しいはずがなく、雪乃は肉体的だけではなく精神的にもすり減っていくだけだった。


「やめろおおおっ! 雪ノ下から離れろっ! 離れろおおおおっ!」


 雪乃が犯されているという最悪の場面を見せつけられている八幡は相変わらず暴れている。

 だがいくら暴れたところで拘束が解けるはずがない。特別力が強いというわけではないので、暴れれば暴れるだけ自分の身体が痛くなるだけだった。

 最愛の女性が犯されているというのに何もできない自分の無力感に押しつぶされそうになっており、そんな自分を認めたくなくて叫ぶことで現実逃避をしているだけなのだ。

 二宮の行為は雪乃だけではなく八幡の精神にもとどめを刺す行為であり、八幡に見せつけるように雪乃を犯していく。


「なぁ雪乃。負け犬君よりも気持ちいいだろ?」

「んああっ! んぎいいいっ! そんなはずないでしょう! あっ! んあああっ! 気持ち悪くて痛いだけよっ! ふあっ! んひいいっ!」

「その割にはだんだんと濡れて来てるし、反応も良くなってきてるぜ。やっぱり租チンじゃ雪乃の一番感じるポイントに届かないのが致命的だよな。そもそも弱点探しとかしたのか? どうせツッコんで適当に腰を振って終わりだろ?」

「う、うるせええ! お前だって無理矢理犯してるだけだろうが! いい加減に――」

「ふぅ……そろそろ出そうだ。もちろん中出しだからな」


 その言葉は雪乃と八幡を絶望させるのに十分だった。


「ひ――いやあああっ! 中には出さないで! それだけは許してっ! 許してえええええっ!」


 雪乃は這ってでも逃げようとするのだが、二宮がもう一度覆いかぶさってきたので動けなくなった。

 二宮は雪乃を抱きしめて逃げられないようにしながらラストスパートをかけていき、亀頭を子宮口にぐりぐりと押し付けながら射精する準備を整える。


「やめろおおっ! た、頼む……それだけはやめてくれ! やめて……やめてください! お願いします!」


 プライドも何もかも捨て去って八幡が叫ぶのだが、二宮にはもう彼の声が届いていなかった。

 今の二宮は雪乃に中出しをすることしか考えられなくなっているので、八幡のような場を盛り上げるためのモブにかまっている暇などないのだ。


「あああっ! んおっ! ふおおおおおっ! もうやめて! 離して! 助けて比企谷君! 比企谷君っ! おっ! んおおおおおおおおっ!」


 雪乃が普段からは考えられない獣のような声を上げるが、その声は二宮を興奮させる材料にしかならなかった。

 肉棒が一回り大きくなって震え始めると、二宮は腰を雪乃の尻にぴったりと密着させてグイグイと押し込んでいく。


「もう限界だ……くっ! で、出る……雪乃に種付けだ……!」

「やめろっ! やめてくれっ! 雪ノ下あああっ!」

「いやああっ! 比企谷君! 比企谷君! 助けて! こんな男の子供なんていやあああっ! ひきが――」


 ――びゅるるるるうううううううううううううううっ!! 


「や……く……いやああああああああああああああっ!」


 雪乃の子宮にオスの欲望がたっぷりと注ぎ込まれていく。

 マグマのように熱くて濃い精液がどんどん放出されていき、子宮が内側からみっちりと広げられているのがわかってしまう。


「ああああっ! 抜いてっ! 抜きなさい! 離れてええええええっ!」

「おふっ……お……おお……うっ!」


 二宮は雪乃を抱きしめながら寝バックの種付けプレスで思う存分精液を放出していく。

 ずっとほしかった極上のメスに中出しするという快感と他人の女を犯しているという優越感に浸りながらの射精は中々止まることはなかった。


「あ……あぁ……雪ノ下……」


 八幡は言葉を失い呆然と中出しされる雪乃を眺めていた。

 中出しなど自分もした事がない。雪乃の初めてを奪われてしまった絶望や、妊娠という言葉も頭から離れなくなる。

 雪乃は手足をバタバタさせて射精を受け止めていたが、やがて力尽きたようにぐったりして動かなくなってしまった。

 二宮は腰をグイグイと何度も押し付けながら最後の一滴まで気持ちよく精液を出し切ると、ゆっくりと肉棒を雪乃から抜いていく。


「あ――んひっ!」


 肉棒を抜くとごぽっと大量の精液が膣からあふれてきてショーツにシミを作った。

 雪乃はセックスの疲労でうつぶせのまま動けなくなっており、そんな彼女の尻を二宮がペチペチと何度も叩く。


(……ごめんなさい比企谷君。でもこれでようやく終わったわ)


 雪乃は心の中で八幡に謝罪する。心も身体も汚されてしまったのだが、これでようやく終わったという事だけが唯一の救いだった。

 撮影された写真や動画についても対処する必要があるが、はやく八幡の拘束を解いて手当てをしなくてはいけない。

 自分も心身ともに汚されてしまい大きなショックを受けているにもかかわらず、雪乃は八幡に対しての心配で胸の中が埋め尽くされていた。


「ふぅ……まずは一発だな。オレは続けて出来るけど雪乃はもう限界か。少し休んだら二回戦いくぞ」

「はぁ……はぁ……何を言っているのよ。もう……終わったのでしょう?」

「なにをバカな事言ってるんだよ。オレのチンポがもう満足したように見えるのか?」


 二宮がなにを言っているのか雪乃は理解できなかったが、体を起こして彼に目を向けるとすぐに理解できてしまった。

 射精したばかりだというのに二宮の肉棒は勃起したままだったのだ。


「う、嘘でしょう? だってあなた……い、今出したじゃない。男の人は一回出せば……」

「クク……そこの負け犬は一回しかできなかったのかよ。お前本当に雑魚だな。やっぱり雪乃とは釣り合わないぜ」


 八幡とのセックスはいつも一度で終わっていたので、二宮の肉棒が勃起したままというのは雪乃にとって信じられない出来事だった。

 それは八幡にとっても同じことであり、ようやく終わったと思っていた凌辱が全く終わっていなかったと知り絶望する。


「お、おい! もういいだろ! いい加減にしろよ!」

「いいわけねーだろ。ほら、もう続きをするぞ雪乃。さっさと股を開けよ」

「や、やめて――あんっ! 近づかないで! いやっ! いやああああああっ!」


 雪乃はまだ力が入らないのでろくに抵抗することもできずに股を広げられる。

 二宮は愛液と精液まみれのショーツをずらすともう一度肉棒を挿入していく。


「あ――んぎいいいいっ! も、もうやめて! 抜いてえええええっ!」


 今度は正常位で二人は繋がると、二宮は雪乃に覆いかぶさって乳首をしゃぶりながら膣内を蹂躙していく。


「あんっ! ああああっ! 乳首に吸い付かないで――ん! んひいいいいっ!」

「雪乃の乳首をいじるとマンコがいい感じに締まるんだよ。巨乳が好きだけど貧乳に目覚めそうだぜ」


 たわわに実った乳房を鷲掴みにして揉みしだくのとはまた別の良さがあるということに二宮は気付き始める。

 撫でまわすように触れた後に指で摘まむように揉みしだき、掌全体で柔らかさを堪能していく。

 スベスベの肌は触れているだけでも気持ちよく、興奮のあまり肉棒がどんどん固くなっていく。

 胸を揉みながら雪乃のうなじや脇も舐めていくと、彼女は恥ずかしさのあまり抵抗が強くなった。


「んあああっ! ど、どこを舐めているのよ! んあああっ! そんなところ――ひっ! き、気持ち悪い!」

「へへ、普段はすました顔してる女が恥ずかしがってるのもチンポにくるわー。お前ってマジで男に抱かれる為だけに生まれてきたような女だな。こんないい女を負け犬が独り占めしてたとか許せないぜ。これからはオレが独占しちゃいまーす」


 二宮は雪乃に腰を打ち付けながら八幡に下卑た笑みを見せつける。

 その勝ち誇った表情に八幡の怒りはどこまでも上昇していき、叫び声がますます大きくなっていた。

 しかしその声は結局のところ負け犬の遠吠えに過ぎない。

 いくらやめろといってもやめるはずがない。二宮に暴言を吐こうが復讐めいた事を叫ぼうが雪乃は変わらず犯され続ける。

 負け犬と言われても八幡は否定できず、無力感と敗北感だけがどんどん大きくなっていた。


「ゆ、雪ノ下……」

「あああっ! んああああっ! だ、大丈夫よ比企谷君! んっ! こんなことをされても平気――あっ! ひあああっ! 犬にかまれただけだと言っているでしょうっ! んあっ! んひいいいっ! あとで避妊薬も飲むから、こんな男の子供を産むことだってあり得ないわ! ああっ!」

「お、さすがは雪乃だな。中出しキメた時はテンパってたけどまた少し落ち着いてきたか?」

「はぁ……はぁ……今のうちにせいぜい楽しんでおくといいわ。私達は貴方の事を絶対に許さな――いぎいいいいいっ!」


 二宮が雪乃の腰を掴んで肉棒を突き入れると、子宮口を亀頭に密着させてぐりぐりと擦っていく。

 八幡とのセックスでは感じたことのない刺激を受けて、雪乃の手足がピンっと伸びた。


「そんな事言わないで雪乃も楽しめよ。オレがちゃんと気持ちよくしてやるぜ」

「何度も言わせないで……こんなものは痛くて気持ち悪いだけよ。犬にかまれて気持ちよくなるなんて絶対にあり得ないわ」

「へへ、今の言葉忘れるなよ」


 二宮はベッドに両手をついて雪乃に覆いかぶさると、ゆっくりと腰を動かし始めた。

 先ほどまでは雪乃の身体を壊すような勢いで犯していたのだが、今の彼は何かを探るような動きになっている。


「ん――んっ! んあっ! はぁ……はぁ……んっ!」


 雪乃の顔を正面からじっくりと見ながら二宮は腰を使う。

 八幡ならともかく二宮の顔など見たくはないので、雪乃はプイッとそっぽを向くと目も閉じてしまった。

 二宮が腰を打ち付ける音と雪乃の微かな吐息だけが部屋に響く中で、八幡は二宮が何をしたいのかを考える。


(もしかして疲れたのか? それならもう少しで終わるはず……耐えてくれ雪ノ下……!)


 先ほどのような激しいセックスをいつまでも続けるなど不可能なので、今は休憩もかねてゆっくり動いているのだろう。

 それならあと少しで終わるかもしれない。そもそも先ほど射精したのだからあと少ししか続けられないはずだ。

 八幡だけではなく雪乃も同じ考えであり、目を閉じてシーツを握ったまま最悪の行為を耐え続ける。


(もう少しで終わるはずよ。私は何も考えずに待っているだけでいいという事ね。絶対にこの男は許さない……)


 雪乃と八幡がそう考える中で、二宮だけは全く違う事を考えていた。

 彼は亀頭で子宮口をグリグリと擦りながら、右手を雪乃の下腹部に当てて強めに押し込んだ。


「ん……んぅ……あ――んおおおおおおおおっ♥」


 その瞬間、雪乃の身体がビクンっと大きく跳ねる。

 雪乃は目を閉じていたのでいきなり腹部に手を当てられ驚いたのだが、それ以上に自分の口から出た声に驚く。

 雪乃だけではなく八幡も同じであり、ポカンとした顔になっている。


「……え?」

「はぁ……はぁ……な、なに今の……あっ! ふああああっ! ま、待ちなさい! やめ――ふあっ! んおおおっ♥」

「雪乃の弱点みーっけ。負け犬君よりも気持ちよくしてやるからな」

「やめ――あああっ! んあああああっ! そ、そこは――んおっ♥ んひいいいいいっ♥」


 雪乃の反応が一気に変わり、口からは出したくもない下品な声が漏れてしまう。

 しかしその声は苦痛に耐えるものではなく、どこか甘さを帯びているものだということに八幡は気付いてしまった。


「さっきのまでのセックスで雪乃の弱い所は全部わかったぜ。一番奥もそうだけど、ここを擦られるのが良いんだよな?」

「ああああっ♥ んおおおおっ♥ ん――んひいいいいいっ! ま、待ちなさい! 動くのをやめてえええええっ! ふおおおおおっ♥」

「Gスポットを刺激されるのは初めてか? 言っておくけどチンポのカリで擦ってるから、負け犬の租チンじゃ同じことなんてできないぜ。カリを使うなら浅い部分をかき回されるのも好きだろ?」

「ああああっ! 好きじゃないわ――んひいいいっ♥ ふあああっ♥ んおおおおおおっ♥ やめてっ! かき回さないで! んああああああっ♥」


 二宮は雪乃のGスポットを刺激した後、肉棒が抜けるギリギリまで腰を引いて大きくグラインドさせると、カリ首で浅い部分をかき回していく。

 これも八幡では絶対に出来ない事であり、雪乃は髪を振り乱して喘いでしまった。

 もうごまかすことが出来ないほど雪乃は快楽を感じている。自分でも信じられないのだが、雪乃の身体は嘘をつかせてくれないのだ。


「あんっ♥ ふあっ♥ ああああああっ♥ も、もう動かないで♥ 痛い――んぎいいいいっ♥ んおおおおおおっ♥」


 優しく膣内を探るような動きから一転して再び高速ピストンに移行する。

 右手を下腹部に当ててポルチオを外側から刺激しながら、子宮口を亀頭で何度も殴って屈服させていく。

 腰を打ち付けられるたびに子宮の中では注がれた精液がタプタプと波打って、雪乃は内側と外側の両方から犯されておかしくなってしまいそうだった。


(ああああっ♥ ど、どうしていきなり――んっ♥ 認めるわけにはいかないわ! 私が好きなのは比企谷君だけよ! あああっ♥ こんな男の事なんて全然好きじゃないのに――んおおおおっ♥ どうしてこんなに感じてしまうのよ!?)


 好きでもない男に犯されて気持ちよくなってしまうなど雪乃にとっては最大の屈辱だった。これならばまだ痛いだけの方がマシというものだ。

 先ほど以上に八幡を裏切っているという感覚に襲われながら、雪乃は今まで感じたことのない大きな快楽が身体の奥底から込みあがってくるのがわかった。


「あああっ♥ ふああああああっ♥ ま、待って♥ 止まって――んっ♥ んひいいいいっ♥ な、なにかが来るの♥ 何かおかしい――あっ♥ んひいいいいっ♥」

「もうイキそうになってるだけだろ? 雪乃の雑魚マンコイカせてやるから思いっきりイッちまえよ」

「イクって――んっ♥ ありえないわ! だって私はまだ一度も――おおおっ♥ ふおおおおっ♥ ダメっ♥ やめて――んおおおおおおおおおおおっ♥」


 手足をピンッと伸ばして雪乃はあっさりとイカされてしまった。

 視界が真っ白になった雪乃は口をパクパクさせながら何も考えられなくなり、二宮はご満悦で動きを緩める。


「ゆ、雪ノ下……まさか、イッたのか……?」


 絶頂した雪乃を見て八幡が無意識の内に呟く。

 彼は雪乃が感じ始めてから声を出すこともできずに、乱れ続ける彼女を見ている事しかできなかった。


「もしかして雪乃をイカせたことがないのか? だったらこれがイッた時の反応だからよく覚えておけよ」

「う、嘘だろ? だってオレはまだ雪ノ下をイカせたことがないんだぞ? お前みたいなヤツに犯されて雪ノ下がイクわけねーだろうが!」

「バーカ。普通の女は普通の男に抱かれればイクように出来てるんだよ。雪乃がイッたことないのはお前が租チンでテクもない雑魚オスだったって事だろ? つーかこんな感度のいい雑魚マンコをイカせられないって、お前はどれだけセックスが下手なんだよ」

「う、うそだ……そんな……」


 雪乃が絶頂してしまったという事実が八幡の心とプライドをズタズタに引き裂いてしまった。

 圧倒的なまでの敗北感に押しつぶされて、自分では二宮に勝てないということを理解させられた。

 二宮は雪乃のブラジャーを外すと乳首に吸い付きながら腰を打ち付けていく。

 抽送の度に結合部から精液が漏れて、愛液と精液でショーツがますます汚れていた。


「雪乃はもうオレのモノだってマーキングをしておけないとな」


 二宮は雪乃の乳房に吸い付いてキスマークをいくつも作っていく。

 しばらくは消えない痕を付けられたことで雪乃はようやく絶頂から戻ってくることが出来て、二宮を引きはがそうとするが力が入らないので無理だった。


「あんっ♥ ああああっ♥ はなれ――おおおっ♥ んおおおおおっ♥ キスマークなんてつけないでっ♥ ああああっ♥ ふああああっ♥」

「雪乃もいい加減に素直になれよ。そこの負け犬とのセックスよりもオレとのセックスの方が気持ちいいんだろ?」

「そんなわけ――んむっ♥ ちゅっ♥ れりゅううう♥ んむうううううっ♥」


 二宮は屈曲位に移行すると、キスをしながらラストスパートをかけていく。

 全体重をかけたピストンで雪乃を押しつぶすように犯して屈服させていき、雪乃は無力感と快楽に襲われて再び絶頂感が高まってきた。


「ちゅっ♥ れりゅううう♥ 離れなさい! あんっ♥ ふあああっ♥ おっ♥ んおおおおおっ♥ 離れてっ♥ もうやめてええええっ♥ 助けて比企谷君! 比企谷く――んおおおおおおおっ♥」

「負け犬君は助けてくれませーん。そこで吠えてるだけでーす。オレはもう一発雪乃に中出しキメてやるぜ……!」

「あああっ♥ もういやあああっ♥ こんな男に犯されて感じたくないのっ♥ あああっ♥ 気持ちよくなりたくない――あああっ♥ ふああああああっ♥」


 雪乃は八幡とのセックスがお遊びだとしか思えなくなるような快楽に襲われているのだが、身体は悦んでいても心は絶望に染まっていく。

 いくらセックスが気持ちよくてもそれで二宮の事を好きになるはずがなく、雪乃は今でも八幡の事を好きなままだ。

 好きでもない男に抱かれて気持ちよくなってしまうという罪悪感が込みあがってきて、二宮に抱かれて気持ちよくなればなるほど雪乃は絶望してしまうのだ。


「ゆ、雪ノ下……」

「ちゅっ♥ れりゅうううう♥ 見ないで比企谷君! こんな私を見ないで! 貴方以外に抱かれて気持ちよくなってる私をみないでええええっ! ああああっ♥ ふおっ♥ んおおおおおおおおおおおっ♥」


 ――びゅるるるるうううううううううううううううっ!! 


「んううううっ♥ またイッちゃうっ♥ ふおおおっ♥ んむうううううううううううっ♥」


 キスをしながらの種付けプレスで雪乃に子宮に二発目の精液が注ぎ込まれた。

 二宮は腰をグイグイと押し付けながら精液を放出していく

 雪乃の柔らかさと温かさを全身で堪能しながらの射精はなかなか止まらず、子宮がどんどん精液で拡張されていた。


「やめろ……もうやめてくれよ……」


 自分の恋人が他の男に抱かれて絶頂する姿を見せつけられて、八幡はがっくりと項垂れてしまう。

 圧倒的な敗北感に押しつぶされて、彼はもう叫ぶ気力も失ってしまったのだ。


「はぁ……雪乃に中出し最高……すぐに続きをするぜ」

「も、もうやめて――ちゅっ♥ れりゅううう♥ いやああっ♥ 離れてっ♥ 助けて比企谷君っ! あああっ♥ ふああああああっ♥」


 雪乃が助けを呼ぶ声が聞こえているにも関わらず八幡は何もできず、部屋には雪乃の喘ぎ声だけが響くのだった。



「ああああっ♥ ふあっ♥ んひいいいっ♥ 動かないで――んっ♥ ああああっ♥ もうやめ――んひいいいいいいっ♥」

「へへ、雪乃相手なら何発でもできそうだぜ。もう5発は出したか?」

「も、もう出さないで♥ あああっ♥ 抜きなさいっ♥ んああっ♥ ひぎいいいいいっ♥」


 2時間ほど経過しても二人のセックスは終わらないどころかますます激しさを増していた。

 二人は今背面側位で繋がっており、八幡に見せつけるように雪乃は犯されている。


「おーい、負け犬君。雪乃の事を見てなくていいのか? 彼女だって言うなら助けてやれよ」

「あああっ♥ んちゅっ♥ れりゅううう♥ いやああっ♥ 見ないで比企谷君♥ んおおおっ♥ こんな私を見ないでえええっ♥ ちゅっ♥ れりゅうううう♥」


 二宮は雪乃の胸を揉みしだいて唇を重ねながら腰を打ち付ける。

 雪乃はショーツだけの姿で犯されており、乳房やうなじなどは無数のキスマークが付けられていた。

 こんな姿を八幡に見られたくないので、雪乃は見ないでほしいと叫び続けている。


(雪ノ下……)


 しかし仮に雪乃が見ないでほしいと叫んでいなくても、八幡は項垂れているので犯されている光景を見ることはなかっただろう。

 雪乃はすでに何度もイカされており、八幡はそんな彼女を見ていることが出来なくなったのだ。


「ちゅっ♥ ちゅるるううう♥ んおおおっ♥ また私の中で膨らんでるっ♥ ふあああっ♥ もうやめて♥ 中には出さないでっ♥ あああっ♥」

「あー……またザーメン上がってきた。だすぜ……うっ!」


 ――びゅるるるるうううううううううううううううっ!! 


「んあああっ♥ また出てるっ♥ いやあああああっ♥ いやあああああああああああああっ♥」


 雪乃の中にまたもや精液が追加されていく。

 何度出しても飽きることはなく、むしろ中出しをするたびに使い心地が良くなる雪乃の身体に二宮は夢中になっていた。


「はぁ……はぁ……んおっ♥ も、もうやめて……許して……」


 心身共に犯されたことで雪乃もだんだんと弱ってしまう。

 痛みや嫌悪感はすっかりと無くなっているのだが、その事が逆に雪乃を追い詰めているのだ。

 昨日まではセックスで気持ちよくなれば嬉しいし幸せだと思っていたのに、気持ちよくなることがこんなにも辛いということを知らなかったのだ。

 もちろん精神的な話だけではなく体力的にもとっくに限界を迎えており、気を抜くと意識を手放してしまいそうだ。

 八幡とのセックスでは一度も疲れた事がないので、セックスが疲れる行為だと今まで知らなかったのだ。


「雪乃はあまり体力がないのか?」

「はぁ……はぁ……も、もう限界……お願い……もうやめて……あんっ♥」


 二宮は下卑た笑みを浮かべて体位を後背位に変更すると、雪乃にメス犬の体勢をとらせる。

 雪乃は腕で支えるだけの力は残っていないので、尻だけを上げた卑猥な体勢になってしまった。

 彼女の尻をショーツ越しに両手でがっちりと掴みながら、二宮はピストンを再開する。


「あああっ♥ ふあっ♥ んひいいいいっ♥ 動かないでっ♥ た、助けて比企谷君! ふああああああっ♥」

「何度呼んでも負け犬君は助けてくれないって。とはいえ本当に限界が近そうだし、オレの彼女になるならやめてやるぜ」

「んひいいいっ♥ い、嫌よっ! あなたの恋人になんてならないわ! んおっ♥ ふおおおおおっ♥ 私が好きなのは比企谷君だけよっ! ふわああっ♥ んあああああっ♥」

「ちっ……こんな負け犬のどこがいいんだよっ!」


 自分を選ばない雪乃にイラついた二宮は、高速ピストンで雪乃を責め立てていく。


「ああああっ♥ んおおおおっ♥ んひいいいっ♥ こ、壊れるっ♥ 壊れ――おおっ♥ ひぎいいいいいっ♥」


 雪乃のことなど一切考えずに自分が気持ちよくなるためだけの高速ピストンで膣内を蹂躙していく。

 女をオナホールとして使うという尊厳を破壊する行為で、心身共に彼女を追い詰めていく。

 それでも雪乃の意思は変わらなかった。


「オラオラっ! オレの女になればやめてやるって言ってんだよ! そんな負け犬の事なんてさっさと捨てろっ! お前の事を守ってくれない雑魚だぞ!」

「んああああああっ♥ い、いやあああっ♥ それだけは――んっ♥ んひいいいいいっ♥」

「好きでもない男に犯されてイキまくる淫乱が調子に乗ってんじゃねーぞ! もう一回イケ! イキやがれ!」

「おおおおっ♥ ふおおおおおっ♥ イキたくないっ♥ イクのは嫌なのっ♥ 嫌なのに――ふあああっ♥ んおおおおおおおおおおおっ♥」


 背筋をピンっと仰け反らせて雪乃が絶頂してしまった。

 二宮が一度動きを止めると、雪乃はなんとか呼吸を整え始める。


「はぁ……はぁ……わ、私は絶対に……あなたの恋人になんてならないわ……」

「ちっ、まだ言うのかよ。こうなったらとことん――」

「もういい雪ノ下」


 とことん犯そうと決めた二宮の言葉を遮ったのは、かすれた八幡の声だった。

 今まで項垂れて黙っていた彼に目を向けると、八幡は涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら顔を上げる。

 かつて雪乃と結衣に本物が欲しいと言った時よりも遥かに泣きじゃくった情けない顔を見て、雪乃は茫然として二宮は失笑していた。


「もういいから……雪ノ下と別れるからもうやめてくれ……やめてください……」

「な、何を言ってるの……んおおっ♥ バ、バカな事を言わないで!」

「雪ノ下と別れれば犯すのをやめてくれるんだろ? そいつはもう限界なんだ……もう許してやってくれ……」


 縛られている自分に雪乃を助けることなどできるはずがないし、このままでは雪乃が壊されてしまうかもしれない。

 それは八幡にとって最も恐ろしい事であり、それを防ぐために自分ができることはもう雪乃と別れることしか思いつかなかった。

 もちろん雪乃のことは好きであり別れるなど嫌なのだが、彼女のために出来る事が他には何一つ思い浮かばないのだ。


「負け犬はああ言ってるけど雪乃はどうする? 別れてオレの女になるなら今日の所はやめるぜ」

「はぁ……はぁ……い、嫌よ……比企谷君と別れるつもりはないし、あなたと付き合うなんて絶対にありえないわ。私が好きなのは――おおおっ♥ んあっ♥ んひいいいいいっ♥」


 八幡が雪乃と別れると言っても雪乃はそれを容認しない。いくら二宮に犯されて辛くても雪乃が好きなのは八幡だけなのだ。


「や、やめてくれ! 雪ノ下、もういいって言ってるだろ! このままじゃお前壊されちまうぞ!」

「あんっ♥ あああああっ♥ いやああっ! それだけは――んひいいいっ♥ 比企谷君っ! あんっ♥ あああああっ♥ 嫌なのっ♥ ふああああああっ♥」


 二宮は後背位で雪乃を犯してフィニッシュに向けて駆け上がっていく。

 犯されている雪乃の顔を八幡は見せつけられている。雪乃は髪を振り乱して涙と涎をまき散らしながら喘いでおり、もはや半分ほど意識が飛んでいるようにも見えた。

 それは正解であり、雪乃はもうまともに頭が働く状態ではない。だが八幡と別れるということは本能的に拒否している。

 気持ちよくなってしまう罪悪感に蝕まれながら、またもや絶頂感がこみあがってくるのも感じていた。


「ああああっ♥ また来るっ♥ 大きい波が――んおおおおおおっ♥ もうイキたくないの♥ 助けて比企谷君! ひきが――あああっ♥ んひいいいいっ♥」

「そこの負け犬と別れてオレの女になるならやめてやるぜ?」

「んおおおおおっ♥ ぜ、絶対に嫌――ああああっ♥ もうやめてっ♥ もう許してええっ♥ ああああっ♥ 比企谷君助けて! 助けてええっ! ふおおおおおおおおっ♥」


 雪乃は思考が働かず八幡に助けを求めて泣き叫ぶことしかできなくなっていた。

 肉棒が一回り大きくなって震え始めると、二宮は射精に向けてラストスパートをかけていく。


「もう一発中にくれてやる! 雪乃のイカせ方ってのを教えてやるからよく見とけよ負け犬!」

「や、やめろ……もうやめてくれ……」

「ふあああっ♥ またイッちゃう♥ 比企谷君助けてっ! ああああっ♥ いやあああああああああああああっ♥」


 ――びゅるるるるうううううううううううううううっ!! 


「んひいいいいいっ♥ 熱いのが出てるっ♥ んあああっ♥ んおおおおおおおおおおおっ♥」


 獣のような声を上げて雪乃が絶頂すると、同時に二宮も精液を膣内に放出していく。

 固形物のような濃い精液が尿道を広げて通っていく感覚が気持ちよすぎて、腰を震わせながら精液を注ぎ込んでいく。


「おお……うっ! た、たまらねぇ……! ぬううっ! おおお……っ!」


 二宮は低く唸りながらねちっこい射精で雪乃に種付けしていくと、八幡はまたもや項垂れてしまった。

 今度こそ自分にできることは何もなくなってしまった彼は、うつむいたまま雪乃が犯される声を聴かされることになるのだった。



 二人のセックスが始まって3時間ほどが経過した頃、ようやく部屋の中から雪乃の喘ぎ声が消えていた。

 部屋の中はいやらしい匂いが充満しており、雪乃はベッドに仰向けで倒れて呆然としている。

  二宮は喉が渇いたので、ベッドに腰かけてペットボトルの水を飲んでいた。


「あ……あぁ……おっ♥」


 雪乃の姿は悲惨としか言いようがないほど全身に犯された痕跡が残されていた。

 身体中にキスマークを付けられただけではなく精液まみれになっており、肌だけではなく美しい髪も汚されている。

 膣からは中出しされた精液が溢れて来て止まらなくなっており、雪乃の目は虚ろで何も見ていなかった。


「雪ノ下……」


 八幡はそんな彼女を呆然と眺めていた。

 いくら暴れても拘束は解けるどころか緩みもしない。もはや涙も出なくなっており、あまりのショックで目の前の光景がどこか他人事のように思えてしまう。

 身体の内側も外側も、心さえも汚されつくした雪乃にどんな言葉を掛ければいいのか、八幡は何も思い浮かばなかった。


「ふぅ……これだけやりまくったら流石に疲れてきたな。おい、雪乃。シャワー浴びるから付き合え」

「ん……比企谷君を……開放して……それと、手当てを……」


 雪乃はこんな状況でも八幡を気遣っているのが二宮は気に入らなかった。

 結局雪乃は最後の最後まで八幡と別れようとはしなかったのだ。

 好きでもない男に犯されて八幡とのセックスがオママゴトにしか思えないほど気持ちよくなったにもかかわらず、心の方は一切喜んでいなかった。

 むしろ心は嫌がっており感じれば感じるほど罪悪感に蝕まれていたようなものだ。


「いいから来いよ。それとも人を呼んでそこの負け犬をもっとボコボコにしてやろうか?」

「ひっ……や、やめて……わかったわ……」


 八幡にこれ以上怪我をさせるわけにはいかないという一心だけで雪乃は重い身体を動かす。

 精液まみれで膣から精液を垂れ流しながら、重い足取りで雪乃は二宮と共に浴室に向かう。


「比企谷君……」

「おい、はやくしろ」


 雪乃が心配そうな顔を八幡に向けるが、彼女はまだ手当をしてやれない事を申し訳なさそうな様子だった。

 二人が消えると浴室からシャワーの音が聞こえてくる。精液まみれの雪乃の身体が綺麗になるのは八幡としても少しだけ気が楽になった。


「ちょ、ちょっとやめて――あんっ♥ 触らないで! もう終わり――おおおおっ♥ ふあああああああっ♥」


 しかし密室で二人きりになったのだから、二宮が雪乃を襲うのは当然だということを八幡は考えていなかった。

 なにをされているのか八幡はもう見ることすらできない。動くことも耳をふさぐこともできず、雪乃の声を聴くことしかできないのだ。


「いやあああっ♥ もうやめて♥ 許してえええっ♥ んおおおおっ♥ 助けて比企谷君! 助けてええっ♥ ふあああっ♥ んおおおおおおおおおおおっ♥」

「うう……ヒック……雪ノ下……雪ノ下ぁ……!」


 八幡はその後二人が戻ってくるまで1時間もの間項垂れて泣きじゃくりながら、自分に助けを求めながら犯される雪乃の声を聴かされることになるのだった。

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